石破茂首相、訪米を急ぐ理由は ~専門家「日米関係の主導権握るには『日本にできること』示すべき」~

石破茂首相(右)は11月中旬に訪米し、次期米大統領トランプ氏との会談を予定している。 (写真:AP通信による合成)
石破茂氏が11日、日本の第103代首相に選出されたが、トランプ氏のホワイトハウス復帰という強い展開を前に、石破氏が今後4年間の日米関係をどのように築いていくかが注目を集めている。日米関係を研究する複数の学者が《風傳媒》のインタビューで指摘するところによると、石破氏は月中にアメリカを訪問してトランプ氏との会談を優先させるものの、インド太平洋地域における日本の重要な役割を強調し、日本がアメリカにもたらす経済的利益を説明し、国防支出と防衛能力の向上への意欲を示すことができなければ、トランプ氏の関心を引くことはできないだろうという。

日本では11日、首相指名選挙が行われ、石破茂氏は衆議院での第二回投票で221票を獲得して勝利したものの、過半数の基準となる233票には届かず、1979年以来初めての過半数に満たない得票で選出された首相となった。日本の政界では、石破氏は政治的な手腕に長けた人物とは見なされておらず、社交や交渉能力は前首相の安倍晋三氏に及ばないとされている。

2016年のアメリカ大統領選挙では、当時の安倍首相はヒラリー・クリントン氏が当選すると見て誤った判断を下したが、トランプ氏の当選が確定すると、直ちにアメリカに飛びトランプ氏との関係構築を図り、ゴルフを共にしてInstagramに写真を投稿するなど、日米関係の良好な基盤作りに努め、トランプ氏の関税戦争の標的を韓国へと向けさせることにも成功した。

《風傳媒》の質問:石破氏はトランプ氏とどのように関係を築いていくのか?

日本の《読売新聞》は関係者の話として、石破氏とトランプ氏が7日に短い会話を交わし、できるだけ早期に対面での会談を行うことで一致したと報じている。石破氏は11月中旬に南米で開催される国際会議に出席した後、帰路にアメリカに立ち寄りトランプ氏と会談する予定で、これが首相就任後初めての訪米となる。

淡江大学日本政経研究修士課程の蔡錫勲教授は、「石破茂氏の首相就任への道のりは非常に険しく、5回目の挑戦でようやく実現したが、その後の衆議院選挙での敗北要因により、首相の座を失いかけた。私の予想では、石破氏は自身の何度も挫折しながらも戦い続けてきた人物像を前面に出し、トランプ氏の大統領選での一度の敗北や訴訟での挑戦を経て、"fight, fight, fight"の精神で再びホワイトハウスに凱旋したという経験と結びつけるだろう。もちろん、石破氏は実際の行動でもトランプ氏との関係構築を証明し、今後4年間の日米関係の基盤を築いていくだろう」と分析している。​​​​​​​​​​​​​​​​ (関連記事: 楽天 台湾の18歳右腕・蕭齊(シャオ チ)選手と育成契約! チーム内4人目の台湾選手に 関連記事をもっと読む


淡江大學日本政經研究碩士班教授蔡錫勲參觀日本眾議院會議廳。(蔡錫勲提供)
淡江大学日本政経研究修士課程教授の蔡錫勲氏が日本の衆議院議場を視察。(蔡錫勲氏提供)

国策研究院上級顧問で開南大学国家・地域発展研究センター所長の陳文甲氏は、「石破茂氏がトランプ新政権との関係を迅速に構築したいのであれば、インド太平洋戦略における日本の重要な役割を積極的に示すとともに、経済・貿易協力の議題を通じて交渉の材料を増やし、トランプ氏の関心を引く必要がある」と指摘する。

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