日本政局の不確実性と台日米関係の行方
米国と日本は台湾の重要な同盟国だが、10月末の日本自民党の衆議院選挙での敗北により政治的不確実性が高まっている。さらに、米国の次期大統領選の行方も予測困難な中、台米日関係の不確実性が増すことを懸念する声が上がっている。
日本では10月27日に衆議院選挙が行われ、11月11日に「特別国会」を召集し、首相指名選挙で次期首相を選出する予定。第二回投票に進む可能性が高い候補者は、自民党総裁の石破茂氏と立憲民主党代表の野田佳彥氏とみられる。しかし、石破氏が就任間もない首相の座を維持できたとしても、今後の政権運営には厳しい試練が待ち受けている。
日本は政府機能と国家間関係を重視
日本の政局不安に加え、共和党候補のトランプ氏と民主党候補のハリス氏の全米世論調査での差が開かない状況も、日米の二国間協力関係の継続性や、両国新指導者の台湾海峡安全保障への関心度について、懸念を深める要因となっている。
米国のシンクタンク「ランド研究所」のグローバル防衛・東アジア情勢専門家レイモンド・クオ氏は風傳メディアの単独インタビューで、「米日両国の政局が新局面を迎える中、外部からの懸念は理解できる。確かに、誰がリーダーになるかは非常に重要だ」と語った。
クオ氏は「ハリス氏であれば、外交などの政策はバイデン政権の路線を継承するだろう。日本の政治的特性も同様で、個人間の関係よりも国家の政府機能や国家間関係を重視する。ハリス氏が当選すれば、米日関係の展望に大きな変化はないだろう」と分析する。
一方で、「トランプ氏が当選した場合、米日関係に変化が生じる可能性は確かにある」とクオ氏は指摘。トランプ氏の外交政策は予測が困難で、個人的な支持獲得や取引主義的なアプローチを取る傾向があるという。
半導体は日本経済の重要課題、台日関係は安定的
クオ氏は、日本の政局が不安定な状況では、米国の強力なリーダーシップがより必要になると指摘。日本の新首相は、他国への要求だけでなく、国際協力の方法も理解する必要があるとしている。
日本の九州大学都市研究センター長の馬奈木俊介教授は、米日関係や台日関係の今後の展開について、全く懸念していないという立場だ。風傳メディアのインタビューで「日本の政治的混乱を過度に心配する必要はない。首相交代は日本では通常のことで、台日関係への大きな影響はない。特に半導体産業に関しては、これは日本の将来の経済発展における最大の課題であり、政治的な問題ではない」と語った。
京都大学公共政策大学院の中西寬教授は風傳メディアの取材に対し、「日本の首相交代や国会の勢力図の変化で懸念すべきは予算問題であり、国家間関係の問題ではない。今後数ヶ月間、日本の政界では半導体産業への補助金予算案をめぐる議論が行われ、紛争は避けられないだろう」と述べている。
編集:佐野華美
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