SBI提携破談、力積電会長が真相語る「日本政府の条件は台湾企業には厳しすぎる」

力積電董事長黃崇仁親自解釋與日本SBI合作破局的緣由。(張薰云攝)


日本メディアが9月に突如、力積電と日本の金融大手SBIホールディングス株式会社(SBI)との提携に変化が生じたことを報じ、SBIの北尾吉孝社長は激怒し、力積電は「信用に欠ける」と述べた。力積電は本日(22日)、決算説明会を開催し、両社の提携破談の経緯について説明を行い、黄崇仁会長は「日本政府の要求を引き受けることはできなかった」と述べた。


力積電の邵章榮財務長によると、2023年上半期、力積電はSBIと初めて接触し、法的拘束力のない覚書(non-binding MoU)を締結し、1年後(2024年6月23日)に期限を迎えることとなっていた。同年、力積電は両社による合弁ファウンドリー工場設立の実現可能性を探るため、何度も日本を訪問し、東京で記者会見を開き、宮城県仙台市に工場を建設することを発表した。当時、両社は一切の文書を取り交わしていなかった。


2023年10月、SBIは政府補助金の申請を急ぎ、力積電に対し補助金申請を行うよう要請し、補助対象はSBIが支配するJSMCとすることを求めた。一方、力積電はFab IPモデルを採用し、SBIから技術移転ライセンス料を受け取る予定で、JSMCへの投資や株式保有は行わない方針だった。これが両社間で生じた最初の意見の相違となった。


「SBIは全ての責任を負うと言っていたが、我々としては確認する必要があった」と力積電の譚仲民副総経理兼スポークスマンは述べた。2024年2月、力積電が経済産業省に補助条件について問い合わせたところ、意外にも日本政府は力積電に10年間の事業運営保証を求め、さらに力積電、SBI、JSBCの3社が共同で申請を行い、保証することを要求していたことが判明した。「事業運営とは、工場建設から完成まで5年程度かかり、その後設備を導入して量産開始となる。10年間の連続した量産期間を含めると、つまり15年という長期間になる」と邵章榮は説明した。


同時期、同社は日本のインフレが深刻で、人手不足や材料不足などの問題も加わり、工場建設コストが台湾の4倍になることを発見し、財務的な実現可能性が当初の想定とは異なっていた。黄崇仁会長は、力積電が苗栗銅鑼で工場を建設した際のコストは400億元だったが、日本では1200億から1400億元必要になると指摘した。「工場建設コストは驚くべき金額で、適切な財務計画もない。これではどうやって進められるのか?!」と黄崇仁は述べた。


これは単なる企業間の協力に対する認識の違いだけでなく、国際商取引法の問題も絡んでいた。


未出資なのに財務統合を要求 力積電会長が反論『台湾の法律に違反する』

力積電は、日本経済産業省が提示した補助条件が非常に厳しく、3社を共同申請者とすることを求めており、これは3社とも政府に対して相当の約束と行政契約上の義務を負うことを意味すると考えた。つまり、JSMCが破産や事業中断などの状況に陥った場合、力積電が引き継いで人材、技術、製品、顧客などを10年間維持しなければならないということである。


「これは明らかに台湾の証券取引法違反!」と邵章榮は述べた。同氏は、会社の会計士によると、力積電がSBIとの提携に署名すれば、JSMCの財務諸表を力晶グループの財務諸表に含めなければならず、さらに銀行のシンジケートローンの問題にも影響を及ぼす可能性があり、専門経営者の忠実義務にも違反すると説明した。「投資していない会社について、日本政府と行政契約関係を結び、補助対象は相手が支配する会社なのに、我々が財務諸表に含めなければならない。」


黄崇仁会長は痛切に述べた:「我々にとって、日本政府の要求とその態度を受け入れることはできない。これは誠実さの問題ではなく、もはや誠意の問題ではない!このような状況で誰が引き受けられるのか?日本政府が求める(10年間の事業運営約束)を引き受けられる台湾企業は一社もない!」


最後に黄崇仁会長は、日本は台湾と比較的近く、関係が深いため、社内の従業員から始まり、皆が日本での工場建設に期待を寄せていたが、最終的にできなかったため、断念せざるを得ず「非常に残念だが、仕方がない」と述べた。​​​​​​​​​​​​​​​​


編集:佐野華美


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