台湾製品がロシアの軍事産業に流入!ウクライナが複雑なサプライチェーンを暴露、第三国経由で西側の制裁を回避

2024年10月17日。ロシアのクルスク州(Kursk)のロシア・ウクライナ国境で、ロシア兵がウクライナ軍陣地に向けて発砲している。(AP通信)
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ウクライナの調査によると、台湾からの工作機械、マイクロエレクトロニクス製品、化学品、半導体およびマイクロエレクトロニクス製品生産ツールなどが、2022年2月のウクライナ戦争勃発後も、ロシアの軍事産業に流入し続けている。その経路には、ロシアへの直接輸入や第三国経由の輸入が含まれている。


ウクライナの調査:台湾製品がロシア軍事産業に流入

中央通信社が検証し、ウクライナ当局に流通しているこの調査報告によると、ウクライナへの全面侵攻後、ロシア経済は急速に軍事化したが、国内メーカーが軍事産業の急速な拡大需要を満たせないこと、および西側諸国が輸出規制を継続的に強化し制裁を拡大していることから、ロシアは必要な製品や技術を得るための別の経路を探さざるを得なくなった。


ロシア経済の軍事化と輸入代替の苦戦

台湾は品質と価格の両面で十分な競争力を持つ商品を提供でき、また輸出規制や制裁措置の執行と調査の厳しさが比較的緩いため、ロシアの軍事産業の輸入業者や国内外のサプライヤーの主要なターゲットの一つとなった。


ロシア科学アカデミー経済予測研究所(IEF RAS)が今年8月に実施した市場調査によると、国際制裁と輸出規制に直面し、ロシアの工業事業者の53%が今でも必要な商品の国内代替サプライヤーを見つけられていない。


しかし、2022年4月には62%のロシア企業が同様の問題を報告していたことと比較すると、過去2年余りで、ロシア企業は「輸入代替」の面で進展を遂げている。


第三国経由の台湾製品輸入が急増

ウクライナの調査は、国際貿易、各国の税関データ、および公開情報を引用し、ウクライナ戦争勃発後、台湾とロシア間の二国間貿易額は減少傾向にあるものの、第三国を通じて、ロシアは依然として台湾企業の製品を入手し続けていると指摘している。これらの第三国には中国、香港、トルコなどが含まれる。


調査報告によると、ロシアが第三国経由で輸入した台湾企業製品の総額は、2022年に8億5000万ドル未満から約17億5000万ドルに増加し、年間成長率は2倍となった。2023年には、さらに約18億5000万ドルに増加した。


軍事用途可能な製品の輸入額が増加

報告書は、ロシアの軍事産業の主要需要項目について、異なる時期にロシアが直接および間接的に輸入した台湾企業製品の総額を統計している。


例えば、金属加工工作機械とコンピュータ数値制御(CNC)加工センターの場合、2019年から2021年の輸入総額(直接・間接輸入を含む)は約3億3200万ドルだった。2022年から2024年5月までの金額は4億2700万ドルに増加した。


集積回路(HS 8542)とプリント回路基板(HS 8534)については、2020年から2021年の輸入総額(直接・間接輸入を含む)は3億4100万ドル余りだった。2022年から2023年の金額は約6億900万ドルに達した。

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さらに、半導体製造装置(HS 8486)の2020年から2021年の輸入総額(直接・間接輸入を含む)は200万ドルだった。2022年から2023年は478万ドルとなった。

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