中国は次回本気で動く?専門家が軍事演習の「三度目の正直」を懸念:習近平は経済を犠牲にしてでも退かない

楽天証券経済研究所客員研究員の加藤嘉一氏が『風傳媒』の独占インタビューに応じる。中国はまだ台湾に対する武力統一の考えを持っており、台湾側は準備を整える必要があると指摘した。(撮影:黄信維)
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楽天証券経済研究所客員研究員の加藤嘉一氏は、中国、日本、台湾など国際情勢を長期にわたり注視してきた。中国経済の成長鈍化、内需不足、不動産市場の低迷などの問題が顕在化していることについても深く理解している。10月中旬に『風傳媒』の独占インタビューに応じた加藤氏は、中国経済が構造的な課題に直面しており、不動産への高い依存度に代わる新たな基幹産業を見つける必要に迫られていると指摘した。また、中国はまだ武力による台湾統一の考えを持っている可能性があり、台湾側は準備を整える必要があると述べた。

加藤嘉一氏は日本の伊豆出身で、著名なメディア人であり国際コラムニストでもある。現在は楽天証券経済研究所の客員研究員を務めている。2003年に北京大学に留学し、国際関係学院で修士課程を修了した。香港大学アジアグローバル研究所の客員准教授を務めたこともあり、主にアジア太平洋地域の政治と経済問題に焦点を当て、多くのメディアで意見を発表し、日本と国際社会で活躍している。また、台湾の『風傳媒』でもコラムを執筆し、国際問題に関する深い洞察を共有してきた。

中国の不動産業はGDPの30% 加藤氏:転換できるかは不確実性に満ちている

「過去の不動産への過度の依存が現在の低迷状況をもたらした」と加藤嘉一氏は分析。「政策の失敗も一因であり、特に2020年夏に導入された三つのレッドライン政策は、不動産企業の債務水準を制限し、市場に悪影響を与えた」。中国が将来的に経済転換の課題に直面する可能性がある中、新たな基幹産業を見出せるかどうかが鍵となる。電気自動車、太陽光発電などのグリーン産業、内需や個人消費などの分野に潜在性があると考えているが、これらの産業は現時点では不動産に取って代わるには不十分だとしている。「中国経済は今後10年間で変動期を迎える可能性があり、中国が成功裏に転換できるかどうかは依然として不確実性に満ちている」と付け加えた。

加藤嘉一氏は、中国の過去の「盲目的なGDP成長追求」政策はもはや適用できず、現在は経済の長期的な持続可能性をより重視すべきだと述べた。不動産は中国のGDPの30%を占め、関連投資は政府と民間の総投資額の40%を占めていると説明。同時に、不動産は個人の資産運用の約60%を占めており、中国経済において極めて重要な位置を占めていることを示している。人口の高齢化や中産階級の所得の頭打ちなどの構造的問題も、中国経済が早急に解決すべき課題だ。これらを総合すると、加藤氏は中国が不動産に代わる効果的な産業を見出せない場合、経済全体が持続的な圧力と課題に直面する可能性があると考えている。 (関連記事: 台湾文化界に衝撃波、中国侵攻をテーマにした作品が急増 タブーに挑むクリエイターたち 関連記事をもっと読む

中日経済は冷却期へ?加藤氏の挙げる3つのポイント:日本企業は不安だ

インタビューで、加藤嘉一氏は日本企業の中国市場に対する信頼の低下と将来起こりうる変化について議論した。まず、米中対立と中国経済の状況、そして「台湾有事」の問題が、日本企業全体の経営判断に包囲効果をもたらしていると指摘。これは彼が言う「マクロ大三角形」の概念である。多くの日本企業が中国市場に対する信頼を徐々に失い、ますます悲観的になっている背景には、いくつかの理由がある。