米日最大規模の実動演習開始へ 民間空港・港湾30カ所も初活用―自衛隊と米軍、4.5万人体制で抑止力強化

統合幕僚長の吉田圭秀氏と米太平洋艦隊のスティーブン・ケーラー司令官が共同記者会見に臨む(在日米軍ホームページより)


米太平洋艦隊司令官「いかなる侵略者にも対抗」―強い決意表明

在日米軍と自衛隊による大規模な合同演習「キーンソード」が23日から始まる。日本の防衛省統合幕僚長の吉田圭秀氏は22日、長崎県の米軍佐世保基地で開かれた記者会見で、インド太平洋地域における力による一方的な現状変更の試みを暗に批判した。


ウクライナ危機を教訓に―日本周辺の安全保障環境を警戒

吉田統合幕僚長は「日本周辺でもウクライナや中東のような深刻な事態が発生する可能性がある」と指摘。米太平洋艦隊のスティーブン・ケーラー司令官との共同記者会見では、日米同盟の抑止力強化の必要性を強調した。


過去最大規模の演習―民間施設も活用し実戦能力向上へ

今回の演習は10月23日から11月1日までの期間で実施される。自衛隊約3万3000人、米軍約1万2000人が参加し、艦艇40隻、航空機370機を動員。対艦戦闘や統合防空ミサイル防衛などの実践的な訓練を行う。


民間施設30カ所を初活用―有事に備えた態勢整備

今回の特徴は、自衛隊・在日米軍基地に加え、民間の空港・港湾約30カ所を初めて演習に活用すること。特定利用空港として北九州、熊本、長崎、福江、宮崎、徳之島、那覇の7カ所、特定利用港湾として苫小牧、釧路、鹿児島、石垣などが指定された。


豪州・カナダも参加―NATO諸国らもオブザーバーとして招聘

1985年に始まった「キーンソード」は今回で17回目。今年は豪州とカナダが参加するほか、フランス、ドイツ、イタリア、オランダなどのNATO諸国、さらに韓国、インド、フィリピン、ニュージーランドなどのインド太平洋諸国がオブザーバーとして招かれ、過去最大規模での実施となる。編集:高畷祐子


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