15万枚が即完売、定価の10倍以上で転売も
台湾の人気歌手ジェイ・チョウ(周杰倫)が2024年12月に台北アリーナで開催予定の「カーニバル」ワールドツアーのチケットが、23日の一般販売開始後、約15万枚が即座に完売した。多くのファンがチケット入手に失敗する中、SNS上では定価の10倍以上、最高では1枚30万台湾ドルという法外な価格での転売が確認され、大きな社会問題となっている。
「台湾最大の転売組織」を運営した夫婦を逮捕
台北市警察刑事課は24日、自称「台湾最大のチケット転売業者」を運営していた43歳の劉姓の男性とその妻を逮捕したと発表した。蔣萬安台北市長と李西河警察局長の指示のもと、専門の捜査チームが編成され、摘発に至った。
偽アカウントを駆使した組織的な不正取得
捜査によると、容疑者らはSNSやメッセージアプリで大規模な広告展開を行い、「確実な前売り」を謳ってチケットの代理購入を募っていた。複数の偽アカウントとプログラムを使用してチケットを大量確保し、オンライン決済を通じて転売していたとされる。
7年ぶりの台北公演で詐欺的商法が横行
警察の発表によると、約100組の購入希望者が転売チケットの支払いを済ませており、そのうち64人からの前払い金だけで約200万台湾ドルに達していた。容疑者夫婦は普段から桃園地区の5つ星ホテルを頻繁に利用する豪遊ぶりを見せていたという。
198枚を確保、前科者の暴利を許さず
捜査で明らかになった転売目的のチケット確保数は198枚に上り、転売による不当利益は莫大な額になると見られている。容疑者の男性には同様の前科があり、文化創意産業発展法違反、文書偽造、詐欺の容疑で台北地方検察署に送検された。
警察が厳重警戒、購入者への注意喚起も
警察は、コンサート5日前までのチケット引き換え期間中、偽造チケット番号による新たな詐欺被害の可能性を警戒している。一般消費者に対し、正規販売サイトでの購入を強く推奨し、転売チケットの購入を控えるよう呼びかけている。編集:高畷祐子 (関連記事: 世論調査:台湾有事は日本有事か?台湾海峡で紛争発生なら、日本人4割以上が米軍の後方支援に賛成 | 関連記事をもっと読む )
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