大法官判断への不満、民進党支持層でも77%が反対
大法官(最高裁判所判事)の憲法解釈が実質的な死刑廃止につながるとして国民の不満が高まっていることを受け、25日、新国会シンクタンクが最新の世論調査を発表。調査によると、死刑制度廃止に反対する回答者が82.7%に上り、賛成は12%にとどまった。また、大法官による実質的な死刑廃止の手法に80.5%が反対し、与党・民進党支持層でも77.1%が死刑廃止に反対している。これは台湾で死刑存置に関する高い社会的合意が形成されていることを示している。出席した立法委員や専門家らは、この調査結果は大法官の判断に対する国民の強い懸念を示すものだとし、個人のイデオロギーに陥ることを避け、台湾の民意を考慮するべきだと訴えた。そうでなければ、司法と政府に対する国民の不信感を招くことになると指摘した。
新国会シンクタンク発起人で立法委員の羅智強は、大法官による実質的な死刑廃止に関する国民の見方について、まず82.7%が死刑廃止に反対していることを指摘。国家発展委員会が2001年に初めて死刑に関する世論調査を実施した際も、81.1%が反対しており、それ以降、台湾の大小様々な死刑に関する世論調査で、基本的に8割以上が維持されており、死刑廃止への反対は台湾の安定した社会的合意となっていると述べた。羅は、国民がこの大法官による実質的な死刑廃止の憲法判断に不満を持っていると指摘した。今日午後には大法官が議会改革に関する注目の憲法判断をもう一つ発表する予定だが、このように民意に背く憲法判断を続ければ、大法官の憲法上の権威を損なうことになると警告した。
与党支持層の7割が死刑存置支持 鈕則勳教授「民進党政権は警戒すべき」
文化大学の鈕則勳教授は、与党・民進党政権はこの世論調査の数字が持つ意味を重く受け止めるべきだと指摘。与党支持層の7割が死刑廃止に反対し、大法官が技術的に死刑判決と執行のハードルを上げることにも賛成していないためだ。このため民進党は今後、3つの方向で社会の焦点を移そうとする可能性があると分析。第一に中央政府予算の停滞に関する攻撃、第二に両岸関係で高度に敏感な問題に触れ続けることで議題操作の優位性を得ようとすること、最後に民衆党主席・柯文哲の勾留延長や起訴の問題で、司法議題によって死刑問題を置き換えようとすることだ。これにより、死刑問題が民進党政権の弱点とならないよう図るとしている。 (関連記事: 鉄槌で強姦殺害した女性教師が死刑を免れる 羅智強が大法官を非難:37人の死刑囚も逆転で死刑免除の恐れ | 関連記事をもっと読む )
立法議員による主張とは
立法委員の張嘉郡は、この結果は意外ではないと述べた。死刑廃止への反対は台湾社会の高い共通認識だからだ。昨年の総統選で賴清德氏は「台湾は死刑を廃止していない。どこであれ死刑を廃止するには高度な社会的合意が必要だ」と国民に語っていた。しかし今、大法官らは手続き的正義の名の下に、死刑に8つの関門を設け、これらの死刑囚に免死の金牌を掛け、死刑の条件をより厳格に制限し、将来の裁判官がほぼ死刑判決を下すことができない、あるいは困難な状況を作り出し、実質的な死刑廃止を達成しようとしていると指摘。