半導体研究機関がファーウェイの7nmチップ使用を指摘
米国による中国半導体産業への規制が続く中、半導体研究機関TechInsightsの報告書によると、ファーウェイの昇騰910BプロセッサーにはTSMCの7nmプロセス技術が使用されているという。TSMCは2020年9月以降、ファーウェイへの出荷を停止していると説明している。
特定顧客向けチップの転用が判明
ブルームバーグ・ニュースの報道によると、TSMCは10月、特定顧客向けに製造したチップが最終的にファーウェイによって使用されていたことを発見。これは米国の対中制裁に抵触する可能性があるとされる。匿名の情報筋によると、TSMCは当該顧客への出荷を即座に停止し、米国および台湾当局に報告、詳細な調査を進めているという。現時点では、当該顧客がファーウェイの代理として製品を購入していたかどうかは確認中とされる。
米国制裁後の対応経緯
ファーウェイは2019年に米国商務部産業安全保障局の「エンティティリスト」に追加された。TSMCは21日の声明で、米国商務省に自主的に連絡を取り、2020年9月中旬以降、ファーウェイ向けの出荷を行っていないことを強調。英フィナンシャル・タイムズやテクノロジーメディアThe Informationも、米当局がTSMCとファーウェイの関係を調査していると報じている。
安全保障上の懸念相次ぐ
この報道を受け、米議会から強い懸念の声が上がっている。米下院「米中戦略競争特別委員会」のジョン・ムーレナー委員長(共和党)はTSMCと米商務省に説明を求め、国家安全保障上の重大な懸念を表明。「TSMCの最先端チップがファーウェイのAI開発に貢献しているのであれば、米国の輸出管理政策における重大な失態だ」と指摘している。編集:高畷祐子 (関連記事: 台積電の受注、次から次へと!財務長が海外工場の生産能力計画を明かす:第2工場の収益に期待 | 関連記事をもっと読む )
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