【台湾】電子領収書抽選で同一人物が続けて当選、不正疑惑が浮上

台湾財政部が実施の電子領収書普及キャンペーンで同一人物の連続当選が発覚
目次

【前提知識:台湾の統一発票制度について】

統一発票とは

台湾独自の付加価値税(消費税)管理システムで、1951年から実施されている。商品やサービスを購入する際に発行される正式な領収書で、毎回の購入時に受け取ることができる。2カ月に1回、政府による抽選が行われ、最高1,000万台湾ドル(約4,600万円)の賞金が当たる可能性がある制度。

クラウド統一発票システムとは

2013年から導入された電子版統一発票システム。購買時にスマートフォンやカードで会員番号を提示すると、紙の領収書の代わりに電子データとして保存される。自動的に当選確認ができ、環境保護にも貢献するシステム。

【本文】環境保護推進の新施策に疑惑の目

台湾財政部国税局は、領収書の受け取りから保管、寄付、賞金受け取りまでの完全ペーパーレス化を推進するため、「クラウドで木を育てようeポイント」というオンラインキャンペーンを実施。MacBook ProやiPhoneなど、高額賞品を含む3回の抽選を行った。

同一人物の連続当選で不信感が拡大

財政部が発表した3回の当選者リストに対し、SNSユーザーが「同じ人物が繰り返し高額賞品に当選している」と指摘。「運が良すぎる」「不正があるのでは」との声が相次いでいる。

「雲端種樹趣 e起集點樹」網路抽獎活動。(取自一百五臉書粉專)
​「クラウドで木を育てようeポイント」オンライン抽選キャンペーン(フェイスブックページ「一百五」より)​

公正性を疑問視する声

SNS上では「内部者への利益供与ではないか」「当選者を複数に分散させるべき」などの批判が続出。Facebook専門ページ「一百五」も3回の当選者リストを比較分析し、高額賞品当選者の重複を指摘している。

抽選の実施内容

国税局によると、最終抽選では弁護士立会いのもと、コンピューターによる無作為抽選で609名の当選者を選出。賞品には、

  • 特賞:現金10万台湾ドル

  • MacBook Pro

  • iPad Pro

  • Panasonicキッチン用品

  • Dyson掃除機

  • GIANTの自転車

  • 電子ギフト券 などが含まれていた。

当局の対応

10月31日までに公式サイトとFacebookページで当選者リストを公開予定としているが、重複当選に関する疑問の声に対し、財政部からの正式な回答は現時点でない。編集:高畷祐子 (関連記事: 台湾経済部長・郭智輝が熊本へ:九州でのサービス会社設立、熊本県が有力候補地 関連記事をもっと読む

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