台湾の小籠包といえば、「鼎泰豊(ディンタイフォン)」というほど、日本人にも有名な小籠包チェーン店だろう。その鼎泰豊で今、問題が起こっている。中国・鼎泰豊(ディンタイフォン)華北地区の経営権争いが白熱化しているのだ。
公印引き渡しめぐり、対立
北京巨人控股有限公司の林礼宏取締役が28日、恒泰豊公司の経営権移譲手続きのため同社を訪れた。しかし、株主・韓家宸側は恒泰豊が法的に解散・清算手続き中であると主張し、経営権移譲は不調に終わった。
北京の鼎泰豊は今年8月末、10月末までに華北地域の14店舗(厦門1店舗含む)の営業を終了すると発表していた。北京恒泰豊の単独株主である北京巨人公司は22日、台北で臨時株主総会を開き、韓家宸董事長の解任を決定。後任として林礼宏を新董事長に指名し、華北地域での鼎泰豊レストラン経営を継続する意向を示していた。
林礼宏は本日午後、北京恒泰豊公司で経営権移譲手続きを行おうとし、韓家宸側に対して公印、財務専用印、営業許可証などの引き渡しを求めた。しかし、林礼宏チームと韓家宸チームは法的解釈で対立し、合意に至らなかった。
清算手続き中と主張
北京恒泰豊公司の顧問弁護士・符霜葉は、同社が9月20日に清算手続きの申請を行ったと説明。北京恒泰豊公司は北京に登記された中国法人企業であり、法律および定款に基づき、全ての投資紛争は「中華人民共和国」の法律が適用され、中国の裁判所で解決されるべきだと述べた。現時点で北京恒泰豊の董事長は依然として韓家宸であるとしている。
悪意ある行為と非難
北京恒泰豊有限公司の楊炳坤総経理は、現在同社が清算段階にある中で、北京巨人の親会社が新たな取締役を立て鼎泰豊の経営権継続を求めることは「悪意ある行為」だと指摘。
同総経理によると、同社の営業許可証は今年8月3日に期限切れとなり、株主総会での更新要求が不調に終わった後、9月13日に清算チームを設立し清算段階に入ったという。親会社が新たに選任した取締役による経営継続要求について「今後の対応に困惑している」とし、現従業員、消費者、オーナーに多大な損害を与え、鼎泰豊ブランドを傷つける非常に不誠実な行為だと非難。
林礼宏は報道陣に対し、新株主が派遣した新取締役による経営権移譲は法規に則った正当な行為であり、相手側が受け入れないことが問題だと主張。株主として恒泰豊の100%の権利を持っており、公印が受け取れないのは理解できないとし、今後の業務遂行には公印が必要だと述べた。
司法での決着も
北京巨人控股有限公司の代理人弁護士で北京市競天公誠法律事務所の梁訊弁護士は、今後株主との更なる協議を行い、次の戦略を決定すると述べた。紛争が解決できない場合は、司法の場で最終判断を仰ぐとしている。
中国華北地域で鼎泰豊を運営する北京恒泰豊レストランは北京巨人公司が100%出資しており、当初は大成グループ副会長の韓家宸、株式市場の著名人・孫鉄漢、鼎泰豊の楊紀華董事長がそれぞれ3分の1の株式を保有していた。現在は孫鉄漢が楊紀華の保有株式を買い取り、筆頭株主となっている。
編集:佐野華美 (関連記事: 台湾鉄道、改札システム刷新へ! 磁気券から電子化へ移行、26年末に完全切替え | 関連記事をもっと読む )
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