自民・公明215議席で歴史的大敗、石破政権の危機迫る
日本で27日に実施された衆議院選挙で、与党連合の自民党・公明党が惨敗を喫し、石破茂首相が「最短命首相」となる可能性が取り沙汰され始めた。これに伴い、台湾と日本の今後の関係発展に注目が集まっている。国策院の郭育仁副院長は28日の研究会で、「この敗北における最大の勝者は習近平であり、政治的な変化により、台日関係は今後改善する見込みがない」と断言した。
過半数割れで政局混乱、11月26日期限の首相指名選へ
27日の開票結果によると、自民党・公明党は215議席を獲得するにとどまり、過半数という勝敗ラインを大きく下回った。各界からは「歴史的惨敗」との評価が相次いでいる。日本国憲法の規定では、衆議院解散に伴う総選挙後30日以内に国会を召集し、首相指名選挙を実施しなければならない。
新首相選出までのタイムライン示される
『日本経済新聞』の報道によると、投開票日から約10日後に国会を召集する必要があり、期限は11月26日とされている。この特別国会では、現職の石破茂内閣が総辞職し、新たに当選した議員で構成される衆議院と参議院が次期首相を指名することになる。
石破茂首相、戦後最短政権の可能性も
淡江大学日本政経研究所の蔡錫勲教授は《風傳媒》の単独インタビューに応じ、「日本の政界での首相交代は珍しくない」と指摘。石破茂氏は10月1日に第102代日本首相に就任してからまだ1ヶ月も経っておらず、再選されなければ、54日間在任した東久邇稔彦首相を下回り、戦後最短の在任期間となる可能性があると分析した。
次期首相候補に高市早苗氏が浮上
蔡教授によると、石破茂氏の辞任拒否により、自民党と日本政界にさらなる不確実性がもたらされるという。自民党内では、前経済安全保障大臣の高市早苗氏、前経済産業大臣の萩生田光一氏が有力候補として浮上。特に高市氏は石破内閣入りを拒否し、先の自民党総裁選では第一回投票で石破茂氏に勝利するなど、党内での求心力の高さを示している。
国策院で警鐘、台日関係に暗雲
28日に開催された「日本衆院総選挙の結果とその影響」座談会で、郭育仁氏は「日本の政界が再び弱い指導力の時代に入れば、対外関係は楽観視できない」との見方を示した。
習近平氏「最大の勝者」との分析
郭育仁氏は「中国は日本の首相が頻繁に交代し、指導者不在の政界の状況を最も歓迎している」と指摘。その理由として「中国側が日本の各政党・派閥を個別に攻略できる」と説明した。石破茂氏は当初、米国大統領選挙終了後すぐの訪米を予定していたが、首相の座が危うい状況となり、訪米も不透明な情勢となっている。
日米同盟の行方に懸念
郭育仁氏は「米国は日本にとって最も重要な同盟国であり、前首相の岸田文雄氏と現職のバイデン大統領は協力度が最も高い日米関係の頂点を築き上げた。これから両国が新しい指導者の課題に直面する中、この政治的遺産をどのように継続していくのか、非常に注目に値する。新首相が台湾海峡の安定の重要性を引き続き強調するのか、国際会議での言及が続くのかについては疑問が残る」と述べた。
CPTPP加盟にも影を落とす政局混乱
郭育仁氏は「日本は台湾の今年のCPTPP加盟申請を最も支援できる国だったが、政局の不安定化により、台湾の加盟はすでに楽観視できない状況だ」との見方を示した。
半導体協力の行方、甘利明氏落選で不透明に
民進党の郭国文立法委員は、安倍時代の半導体政策を主導した甘利明氏の落選について「台日半導体協力において最も注目すべき点だ」と指摘。日本では台日間の高度な半導体協力に反対する声も強く、甘利氏の落選が両国の協力関係に及ぼす影響について、今後の推移を注視する必要があるとしている。編集:高畷祐子 (関連記事: スター勢揃い!第37回東京国際映画祭が開幕 台湾映画がノミネートされトロフィー獲得に挑む | 関連記事をもっと読む )
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