ChatGPTの開発元OpenAIは、半導体供給源の分散化とコスト削減を積極的に計画している。関係者によると、同社は当初、自社工場建設のための資金調達を検討していたが、コストとスケジュールの観点から計画を保留し、社内のチップ設計に注力する方針に転換。この戦略的転換は、シリコンバレーのAI大手が、アマゾン、Meta、Google、マイクロソフトなどのテック大手の手法を踏襲していることを示している。
関係者によると、OpenAIはブロードコムと数カ月にわたり緊密に協力し、初のAI推論チップを共同開発している。同社はブロードコムを通じてTSMCの生産能力を確保し、2026年に初の自社設計チップの量産を予定している。このニュースを受け、ブロードコムの株価は4.5%以上上昇し、AMDの株価も3.7%上昇している。
ChatGPTの運営コスト膨大 OpenAI年間50億ドルの損失見込
OpenAIは約20人のチップ開発チームを設立し、元GoogleのTPU(テンソル処理ユニット)開発者であるトーマス・ノリーとリチャード・ホーなどの一流エンジニアが指揮を執っている。現在も他のチップ設計コンポーネントの開発または買収を検討中だが、より多くのパートナーとの協力を展開することは既に決定している。
NVIDIAがAIチップ市場の80%以上のシェアを占める現状で、OpenAIは多角化戦略を通じて単一サプライヤーへの依存度を低減している。本紙の独自報道によると、同社はマイクロソフトAzureプラットフォームを通じてAMDのMI300Xチップを採用する計画で、AMDは2024年のAIチップ売上高が45億ドルに達すると予測している。
情報によると、OpenAIは今年の売上高が37億ドルと予想される一方で、最大50億ドルの損失が発生する可能性がある。ハードウェア、電力、クラウドサービス費用を含む巨額の計算コストが、供給チェーンの多様化を模索する主な理由となっている。しかし、OpenAIは依然としてNVIDIAとの協力関係を慎重に維持しており、特に新世代Blackwellチップの使用権に関して注意を払っている。
この報道について、OpenAI、AMD、TSMCはコメントを控えており、ブロードコムは即座の回答を行っておらず、NVIDIAもコメントを拒否している。
編集:佐野華美 (関連記事: 台湾がAI革命の主役に Arm社が野心的な目標発表 「2025年までにAIチップ1000億個の大量生産へ」 | 関連記事をもっと読む )
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