AIブーム、バブルか革命か - 半導体大手が語る未来像と課題
日月光の呉田玉(ティエン・ウー)CEOがSEMICON 2024のマスターフォーラムで歓迎の挨拶を述べています。(撮影:張薰云)
インターネットが5000万ユーザーを獲得するのに7年かかったのに対し、生成AIはわずか5週間で同じ成果を達成した。この驚異的な成長速度は、AIバブルの可能性を示唆すると同時に、世界を一変させる潜在力も秘めている。NVIDIAの最新決算は、AIブームが販売と新技術開発を確実に後押ししていることを示している。
この状況下、日月光投資控股(ASE Technology Holding)のティエン・ウーCEOは、グーグル、サムスン電子、TSMCの重役陣とともに台北国際半導体展(SEMICON)で対談を行った。ウーCEOは「悪魔の代弁者」を自称し、観客に代わって率直な質問を投げかけた。
グーグルのハミドゥ・ディア応用AI工学副社長は、AIが医療、教育、メディアなどの産業に根本的な変革をもたらすと予測する。「これは我々の生涯で目にする最大の転換点となるでしょう」と彼は述べた。アフリカの故郷でAIチャットボットの使用を目にしたディア氏は、将来的には全ての子供がAI教師を持ち、新薬開発もAIの導入により飛躍的に進歩すると予想している。
サムスン電子のジョンベイ・イーメモリー事業部門社長も同意見を示し、「専門家やエンジニアは(AIの)影響を控えめに評価していますが、私はこれが全人類に新たな革命をもたらすと考えています」と述べた。TSMCのY.J.モー共同COOは、顧客からのフィードバックに基づき、今後数年間でAIアクセラレータ市場が年平均50%の成長率を容易に達成すると予測している。
ディア氏は、大手テック企業が事前学習済み大規模言語モデルを公開したことで、AI技術の参入障壁が下がり、世界中の人々が恩恵を受けられるようになったと指摘。「これこそがAI民主化です!」と評価した。
一方、ウーCEOは「我々は人類に貢献しているのか、それとも格差を拡大させているのだろうか?」と問いかけた。モー氏は、産業革命時と同様に、AIの発展に伴い一部の職業が変容または消滅すると予想。これは避けられない過渡期であり、AIの発展に伴うリスクと考慮すべき点だと指摘した。
モー氏は、今後1-2年以内にPC、スマートフォンなどの端末でキラーアプリケーションが登場し、次の買い替え需要を喚起すると予測。イー氏は、クラウドAIの課題(インフラ不足、データ量不足、高消費電力)がユーザーをエッジAIへ向かわせると指摘。プライバシー意識の高まりや、自動運転、人間とコンピュータの対話など即時性が求められる場面で、エッジAIの需要が高まると予想している。
ディア氏は、NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが言及したAIロボットの実現には少なくとも5年、場合によっては10年かかると予測。各分野に特化したロボットの大規模応用には、さらに時間を要するとの見解を示した。
最後に、各社のAI投資戦略について、ディア氏はグーグルの内部エピソードを紹介。10年前の音声検索機能開発時に自社チップ(TPU)の開発を決断し、現在では第6世代まで進化。アップルもグーグルのTPUを使用するなど、
イー氏も「業界全体がAIに賭けています。我々は忍耐強く、適切なタイミングで負担可能な量を投資していく必要があります」と述べ、長期的な視点での投資の重要性を強調した。
TSMCも2024年の資本支出を微増させる方針を示し、AI需要の強さを背景とした投資姿勢を明確にしている。
エッジAI: 端末で直接AI処理を行う技術。クラウドを使わずにスマホやIoTデバイスで処理するため、より速く効率的。自動運転など即時性が求められる場面で注目。
TPU(Tensor Processing Unit): GoogleのAI専用チップ。機械学習やディープラーニングに特化し、CPUやGPUより効率的。AI開発や処理の高速化に貢献。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒
最新ニュース
社説:柯文哲氏勾留で露呈した「捜査非公開」の虚構 - 台湾司法の信頼性が問われる事態に「捜査非公開」―これは笑い話でも神話でもない。実際のところ、これは冗長で無意味な言葉の羅列に過ぎない。台湾民衆党主席で前台北市長の柯文哲氏が京華城開発をめぐる利益供与疑惑で勾留されて以来、半月以上にわたり、柯氏に不利な「捜査内容」が特定のメディアに流れ続けている。さらには、台北地方裁判所が非公開とした完全版の「勾留理由書」までもが流出し、検察側が柯氏を有罪とする「鉄の証拠」として報じられている。
速報:柯文哲氏、京華城案で勾留決定台湾野党・民衆党の柯文哲主席(64)が関与した疑いのある不動産開発「京華城案」をめぐり、台北地方裁判所は5日午後5時17分頃、柯氏の勾留を決定した。接見禁止措置も併せて命じられた。
賴清德政権、人事権の乱用で批判高まる 選挙参謀を大法官に指名、民主の危機か民進党は三度目の政権運営で、政府運営に精通しているはずだ。しかし、「国家の法制度」や「国家の重要ポスト」に対する認識が次第に曖昧になっている。人事を自党の利益分配の私的な宴会のように扱い、前総統の蔡英文氏は「緑一色人事」を行い、これが8年間の執政における最大の失策となった。そして、賴清德総統もまた「蔡のルールに従う」かのように、人事権を軽々しく、そして恣意的に行使している。その結果、立法院開会後の人事同意権行使に障害を生じさせている。
賴清德総統の対ロシア発言に波紋:民衆党議員が「戦争を煽る」と批判賴清德総統が最近、中国の台湾統一の目的は「領土の完全性」ではないと指摘し、ロシアに占領された領土を取り戻さない理由を問うた発言が、各界で議論を呼んでいる。これに対し、民衆党の林憶君立法委員は4日、「インド太平洋地域の平和と繁栄の維持者である台湾の国家指導者は、戦争を煽るような発言をすべきではない」と厳しく批判した。
TSMC熊本進出で台日食品業界に商機:台湾15社が訪問、老舗「千成堂」と提携も台湾TSMCの進出で熊本に新たな商機台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県進出に伴い、日本の半導体産業復興の動きが加速している。この動きは半導体業界にとどまらず、台湾と熊本の食品業界にも新たな商機をもたらしている。台湾優良食品発展協会(TQF)は今日、15社の台湾の優良食品企業を率いて熊本を訪問し、食品ビジネス交流会を開催した。熊本県庁の職員は、「これほど活気......
新竹県の名門幼稚園で児童虐待:園児を「巻き寿司」にして暗闇に閉じ込める新竹県の有名非営利幼稚園で、複数の教師による児童虐待疑惑が浮上した。報道によると、園児を暗い便所に閉じ込める、布団で体を縛る、子どもを押したり引っ張ったりするなどの行為が確認された。一部の保護者は、園が提供した監視カメラの映像が編集されている可能性を指摘し、虐待の全容が明らかにされていないのではないかと疑っている。
柯文哲氏、汚職疑惑で釈放 検察の証拠不足で身柄拘束却下台北地方裁判所は2日未明、京華城開発をめぐる汚職疑惑で取り調べを受けていた柯文哲前台北市長の身柄拘束請求を却下した。3日間に及ぶ取り調べの結果、裁判所は検察側の提出した証拠が不十分だと判断。柯氏は保釈金なしで釈放された。
中国産AAA級ゲーム『黒神話:悟空』が大ヒット 台湾でPS5版発売遅れる理由中国初のAAA級(高コスト、大規模、高品質)ゲーム『黒神話:悟空』が8月20日に全世界で発売され、わずか3日間で1000万本の販売を記録した。全プラットフォームでの最大同時接続ユーザー数は300万人に達し、1本約1,280台湾ドル(約5,700円)で計算すると、推定売上高は128億台湾ドル(約570億円)を超える。
熊本県知事、TSMCに第3工場誘致へ意欲 台湾訪問で半導体産業強化を目指す木村知事、TSMC幹部と会談へ熊本県の木村敬知事は26日、台湾積体電路製造(TSMC)の第3工場誘致を目指し台湾を訪問した。木村知事一行は25日夜に来台し、26日から本格的な訪問日程をスタートさせた。工研院と新竹科学園区を視察訪問団は午前中、工業技術研究院(ITRI)と新竹科学園区管理局を訪れ、台湾の半導体産業の中心地を視察した。その後、国立陽明交通大学を訪......
台湾選手への論争に即応!賴清德政権100日の荒波と挑戦オリンピック期間中、台湾の選手たちは国際的な批判にさらされた。特に注目を集めたのは、『ハリーポッター』シリーズの著者JKローリングによる発言だ。ローリングは、台湾のボクシング選手である林郁婷選手とアルジェリアの選手イマーヌ・ケリフがトランスジェンダーではないかとSNS上で示唆した。
台北101の新会長に賈永婕氏 夫の政治献金は民進党議員へ台北101の新会長に德杰建設の「社長夫人」で女優の賈永婕氏が就任するとの報道が、台湾社会に驚きと期待を呼んでいる。德杰建設の「ニューヨーク・ニューヨーク」や「明德春天」などの百貨店経営の実績が、今後の台北101の運営に活かされるとの見方が広がっている。
内幕:民進党「調整役」議員に疑惑 柯建銘氏の中国投資問題が再浮上「反中護台」(中国に抵抗し台湾を守る)を掲げる民進党の幹部たちに、「親中」の疑惑が次々と浮上している。「台南派」の李孟諺氏のスキャンダルが話題の中、両岸関係の専門家間で「弁護士書簡」が出回っている。内容は、以前、柯建銘議員が中国南京での投資計画のために香港から資金を借り入れたというものだ。香港側は後に資金流用に気づき、台湾の弁護士を通じて柯議員に返金を要求。応じなければ刑事告訴や記者会見での公表も辞さないとしている。
風評:石破茂氏の現実主義が「台湾有事」の国内宣伝幻想を打破近年、「台日友好」の機運が高まる中、石破茂衆議院議員の訪台や野田佳彦元首相の凱達格蘭フォーラム出席など、台湾海峡問題に言及する日本の政治家の動きが注目を集めている。特に、次期首相候補として注目される石破氏の発言は大きな関心を呼んでいる。
遠雄集団趙藤雄氏が全保有株式を売却 - 大巨蛋案訴訟の影響か遠雄集団の創業者で遠雄建設の取締役兼大株主である趙藤雄氏が21日、個人名義の保有株式195万9,457株の売却を申告した。この動きを受け、22日の遠雄株は一時4.41%下落し、78台湾ドルまで下げる場面があった。終値は78.7台湾ドルで、3%以上の下落となった。
TSMCの海外展開、"護国神山"は揺るがずTSMCの海外展開加速、しかし「台湾優先」は不変台湾積体電路製造(TSMC)の海外展開が加速している。ドイツ工場が起工式を行い、米国と日本の工場も稼働間近だ。しかし、経済学者の馬凱氏は「TSMCと政府の方針は依然として台湾優先だ」と強調する。「護国神山」揺るがず、台湾の圧倒的優位性TSMCの魏哲家董事長は、8~9割の生産能力を台湾に残すと明言している。馬氏は......
習近平主席、公務に復帰 - 健康不安説を一掃か中国の習近平国家主席が、21日ぶりに公の場に姿を現した。8月19日にベトナム共産党のトー・ラム書記長と会見した後、20日には北京の人民大会堂で3つの重要な会合に連続して出席し、健康不安説を一掃する形となった。
台湾の第三勢力、岐路に立つ:柯文哲スキャンダルと時代力量の自己反省柯文哲スキャンダル:第三勢力の挑戦に暗雲台湾民衆党主席の柯文哲氏が政治献金と京華城案のスキャンダルに巻き込まれています。日本の政治学者、小笠原欣幸氏は、これが柯氏による二大政党制打破の挑戦の終わりを意味する可能性があると指摘しています。時代力量:自己反省と組織改革への決意かつて第三勢力として注目を集めた時代力量の王婉諭党首は、党の失敗を率直に認め、詳細な自己......
台湾交通部長の不倫スキャンダル:政権への影響と後任人事に注目交通部長李孟諺の不倫スキャンダルで辞任台湾の李孟諺交通部長が10年間の婚外恋愛関係が明るみに出たことを受け、賴清德総統と卓榮泰行政院長に辞意を表明し、受理されました。民進党内部抗争説を党幹部が否定民進党立法院党団書記長の莊瑞雄氏は、このスキャンダルが党内抗争の延長線上にあるという憶測に対し、「考えすぎだ」と否定しました。李氏の政治家としての努力を評価しつつ、......
柯文哲と台湾民衆党:カリスマと制度の間で揺れる第三勢力の行方柯文哲現象:台湾政治における新たなポピュリズムの台頭「選挙は詩、統治は散文」というフレーズは、台湾の総統選挙を描写するのによく使われますが、現在の柯文哲と民衆党の状況にも当てはまります。大統領選挙時、若い有権者は熱狂的に柯文哲を支持し、世代革命の兆しを見せました。しかし、現在の選挙チームの財務トラブルや政治献金の不透明な支出は、ポピュリスト指導者のカリスマだ......