不動産市場の先行き不透明感で新規着工が減少
内政部の統計によると、2024年上半期の台湾全土における新規住宅着工戸数は5万2712戸で、前年同期比21.8%減少し、新型コロナウイルス感染症流行前の2019年水準まで後退した。特に新北市では3575戸と、統計開始以来の同期最低を記録している。
新北市の着工数が過去最低を記録、台南市も半減
住商不動産企画研究室の徐佳馨執行総監は、「建設業者は建築許可取得後6ヶ月以内に着工する必要があり、3ヶ月の延長が可能です。したがって、着工数は6〜9ヶ月前の新規物件市場の状況を反映しています」と分析する。昨年7月の平均地権条例改正案の施行や、建設業者が余剰物件の販売に注力していることが、着工数急減の主な要因と見られる。
都市更新と危険老朽建築物対策で台北市は増加
一方で、台北市の着工数は26.4%増加し、六都(六大都市)中最大の伸びを示した。大家房屋企画研究室の賴志昶広報主任は、「台北市の新規供給は主に都市更新と危険老朽建築物対策案件です。都市更新のプロセスは時間がかかりますが、順調に進めば即時着工となります」と説明している。
銀行融資制限の影響に警鐘
徐佳馨執行総監は、下半期に銀行の融資制限が強化される可能性を指摘し、建設業者と販売代理店に大きな圧力がかかると警告している。「新規物件市場は主に『先売り後建設』の予約販売モデルです。建設業者が着工を遅らせることで、消費者は引き渡しとローン申請を延期でき、融資制限のリスクを回避できる可能性があります。しかし、現在の購入者にとっては、価格よりも建設業者のブランド力が重要な判断基準となるでしょう」と助言している。編集/高畷祐子
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