賴清德氏の側近、相次ぐスキャンダル
台湾の賴清德総統に近い政治家が立て続けにスキャンダルに巻き込まれている。李孟諺前交通部長が婚外恋愛問題で辞任したばかりだが、今度は民進党の林宜瑾立法委員が公費詐取の疑いで検察の捜査を受けた。
林宜瑾委員、100万元で保釈 事務所主任は身柄拘束へ
一晩の取り調べの後、助手手当の詐取疑惑がある民進党の林宜瑾立法委員は100万台湾ドルの保釈金を支払い釈放された。一方、林氏の事務所主任の黄氏については身柄拘束の請求がなされた。
与党内部の権力闘争か
メディア関係者の黄暐瀚氏は、この一連の出来事について「賴氏への党内からの反発」との見方を示す。「「賴氏の一人勝ちを阻止するための内部からの牽制」と分析する。
検察の独立性を示す証左か
一方で黄氏は、これらの事件が検察の独立性を示す証拠になるとも指摘。「以前は野党系の政治家を逮捕して『政敵潰し』と言われたが、今回は与党の中枢を捜査している。誰であれ罪を犯せば捜査する姿勢は、検察の独立性への信頼を高めるだろう」と述べた。
賴清德総統への影響は
黄氏は「側近の相次ぐスキャンダルが「賴氏の党内での威信に影響しないはずがない」としつつも、「現職の総統兼党主席である賴清德の指導力が根本から揺らぐほどではない」と分析している。
政治的打撃と司法信頼のジレンマ
「政治的には悪影響だが、司法の信頼性という点ではプラスになる」と黄氏は結論づける。与党にとっては痛手だが、台湾の民主主義の成熟を示す出来事とも言えそうだ。
(関連記事: 京華城再開発案件で彭振聲氏を召喚 柯文哲氏に影響 | 関連記事をもっと読む )この一連の出来事は、台湾政界に大きな波紋を広げている。与党内部の権力構造や、司法の独立性など、台湾の政治システムの様々な側面に注目が集まっている。