石破茂議員訪台:台湾側の過度な期待と日本の政治現実
自民党総裁選の有力候補とされる石破茂衆議院議員が先週台湾を訪問し、賴清德総統と会談しました。歓迎式典で日本海軍の軍歌が演奏されたことが話題を呼んでいます。
台湾側の「高規格」歓迎に疑問の声
メディア関係者の郭正亮氏は、この歓迎方法について「賴清德氏が日本との軍事協力をいかに望んでいるかが分かるが、残念ながら全く的外れで失格と言える」と批判しています。
石破茂氏の慎重な姿勢と自民党内の複雑な力学
郭氏は、石破氏が首相候補として有力視されているものの、党内での立場は孤立していると指摘。岸田政権下での政治献金スキャンダルや統一教会問題による最大派閥の解散が、石破氏に機会をもたらしたと分析しています。
二階派と清和会:対立する勢力の妥協点としての石破氏
自民党内の二大勢力である二階派と清和会にとって、石破氏は両者が受け入れやすい人物だとされています。しかし、親中派の二階派が反中派の石破氏を支持する状況は長続きしないだろうと郭氏は予測しています。
次期首相就任後の日中関係の展望
郭氏は、新首相就任後も日中関係に大きな変化はないだろうと予測。経済面では二階派の影響で緩和の可能性があるものの、政治・軍事面では両国のタカ派的姿勢が当面続くと見ています。
この訪問は、台湾側の期待と日本の政治現実とのギャップを浮き彫りにしました。今後の展開に注目が集まっています。
(関連記事: 「東アジアが次のウクライナにならぬよう」 - 石破茂氏、台湾訪問で賴清德総統と会談 | 関連記事をもっと読む )編集/高畷祐子