遠雄集団趙藤雄氏が全保有株式を売却 - 大巨蛋案訴訟の影響か

遠雄集団の創業者で遠雄建設の取締役兼大株主である趙藤雄氏が昨日(21日)、個人名義の保有株式195万9,457株の譲渡を申告した。(資料写真、顔麟宇撮影)

趙藤雄氏、全保有株式を売却

遠雄集団の創業者で遠雄建設の取締役兼大株主である趙藤雄氏が21日、個人名義の保有株式195万9,457株の売却を申告した。この動きを受け、22日の遠雄株は一時4.41%下落し、78台湾ドルまで下げる場面があった。終値は78.7台湾ドルで、3%以上の下落となった。


今年2度目の株式売却、グループとの距離感に注目

趙氏は今年すでに2回目の株式売却を行っている。市場では、大巨蛋案の訴訟が楽観視できないため、事前にグループとの線引きを図っているのではないかとの憶測も出ている。しかし、遠雄集団はこの株式売却について一切のコメントを控えている。


創業者の持株比率、0.37%から実質ゼロへ

遠雄集団の2023年度年次報告書によると、趙氏の選任時の持株数は288万6,457株で、持株比率は0.37%だった。7月17日に全株式の売却を申告したものの、有効期間内に全ての売却が完了しなかったため、今回再度195万9,457株の売却を申告した。これにより、趙氏の個人名義での保有株式はゼロとなる。


80歳創業者、訴訟の影響で承継を加速か

80歳の趙氏は近年、大巨蛋案で訴訟に巻き込まれ、個人の評価が大きく低下している。台北地方裁判所は5年の審理を経て、一審で趙氏に7年の実刑判決を下した。現在、全ての案件が控訴審に持ち込まれている。

この状況を受け、趙氏は長男の趙文嘉氏への経営権移譲を進めている。しかし、趙家の遠雄グループに対する持株比率は依然として65%以上を維持しており、強い支配力を保持している。

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訴訟の行方と企業統治への影響に注目

今回の株式売却が大巨蛋案訴訟の見通しの悪化を示唆するものなのか、それとも単なる資産管理の一環なのか、市場の関心が高まっている。遠雄集団の今後の企業統治と、趙家との関係性の変化に注目が集まっている。編集/高畷祐子

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