元女優の市議員ら逮捕 台北市の大型再開発で4500万台湾ドルの贈収賄疑惑

台北地方検察庁が京華城の容積率問題を捜査し、28日に国民党所属の台北市議員・応曉薇氏(写真参照)らを事情聴取。ただし、台北地検は現時点で捜索・聴取の事実を確認していない。(資料写真、蔡親傑撮影)

元市議と不動産会社会長を逮捕

台北地検は28日、京華城再開発をめぐる贈収賄疑惑で、元台北市議の応曉薇氏と不動産大手・威京集団の沈慶京会長を逮捕し、勾留を請求した。捜査関係者によると、沈会長から応元市議に約4500万元(約2億円)が流れた形跡が見つかった。


容積率緩和をめぐる不正疑惑

捜査当局は、この資金が京華城の容積率緩和に関する便宜供与の対価だったとみている。応元市議は柯文哲前市長に対し、再三にわたり容積率緩和を働きかけていたという。

4500万台湾ドルの不自然な資金の流れ

捜査関係者によると、沈会長から応議員に計4500万台湾ドル(約2億円)が複数回に渡って送金されていたことが判明。應議員はこの資金を元に、当時の柯文哲市長に対し、京華城の容積率緩和を働きかけていたとされる。

元女優から政界へ

応曉薇議員は政界入り前、テレビ女優として活動。2010年に國民党から公認を受け台北市議員に初当選し、以来連続当選を果たしている。

「弁当会」と「調整会」で不審な資金移動

2020年頃、沈会長は応元市議に接触。その後、応氏は柯前市長との非公式会合「弁当会」や複数回の「調整会」を開催。この期間中、威京集団の子会社から応氏の関連協会口座に複数回の入金があったことが判明した。


資金の流れを追跡

応元市議は助手の呉順民氏に指示し、入金された資金を複数回に分けて引き出させ、自身のパートナーである王尊侃氏の口座に入金していたという。


前市長の関与も視野に捜査拡大

検察は、応元市議が単独で巨額の賄賂を受け取ったとは考えにくいとし、「白手袋」(ダミー)的役割を果たした可能性を指摘。柯前市長の市政府幹部の関与も視野に入れ、捜査を進めている。編集/高畷祐子