NVIDIA株「早すぎた売却」に後悔 孫正義氏、1,747億ドル損失。ファンCEOの慰めに苦笑

NVIDIAのジェンスン・フアンCEO(左)が対談中にソフトバンクが最大株主だったことに触れ、ソフトバンクグループの孫正義会長(右)は苦笑いを浮かべている。(NVIDIAライブ配信より)

人生で最も後悔していることは何か。この質問をソフトバンクグループの孫正義会長に尋ねてみたいところである。日本の東京で2日間にわたり開催されたAIサミット(AI Summit Japan)で、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが講演を行い、孫正義氏との対談が実現した。フアン氏は対談中、ソフトバンクがかつてNVIDIAの最大株主だったことに触れ、5年前の株価が低い時期に全株式を売却したと述べた。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2017年、NVIDIAの株式約4.9%を取得し、最大株主の一つとなっていた。しかし、2019年初頭にNVIDIA株が大幅に下落すると、保有していた4.9%の株式を全て売却し、33億ドルを回収している。ところが現在のNVIDIA株価は大幅に上昇しており、ソフトバンクが売却した株式は現在の株価で計算すると総額1,780億ドルの価値となっており、ソフトバンクは約1,747億ドルを失う結果となっている。

先日のAI日本サミットで、フアン氏は孫氏との対談中、話題を変え「多くの人は知らないかもしれませんが、ある時期、孫さんは当社の最大株主でした」と述べた。この発言に孫氏は思わず苦笑いし、フアン氏の肩に寄りかかって気絶したふりをする一幕があった。フアン氏は笑いながら「大丈夫、一緒に泣きましょう」と慰めの言葉をかけている。

実際、孫氏は今年6月のソフトバンク年次株主総会で、NVIDIA株の売却が最も後悔していることだと語っており、「大きな魚を逃してしまった」とまで述べている。ソフトバンク傘下のビジョン・ファンドは早すぎるタイミングでNVIDIA株を手放し、現在のNVIDIAの好調な業績を逃す結果となっている。

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