労働部労働力発展署北分署でのいじめ事件が大きな騒動となり、公務員がいじめに耐えかねて自殺を図った。分署長の謝宜容は現在も姿を見せず、市民の怒りを買っている。頼清徳総統は本日(22日)、今後は法改正を含めた検討を行うと強調した。
日本の法令を参考に
立法院は11月に法制局が「日本の職場いじめ法規の概要」というテーマで研究を行い、2019年5月に改正された日本の「労働施策総合推進法」の規定を考慮し、台湾では職場いじめに関する明確な法的定義や規制がないことから、事業主の労働者に対する保護義務に基づき、日本の関連規定を参考にできると指摘した。
立法院法制局の「日本の職場いじめ法規の概要」の内容によると、職場いじめは日本社会において従来から社会問題となっており、従業員の権利に関わり、従業員の心身に大きな負担をかけることが多いとされている。日本は2019年5月に「労働施策総合推進法」を改正し、職場いじめ防止の法的枠組みを構築。大企業は2020年6月1日から、中小企業は2022年4月1日から全面的に実施することとなった。
同法第30条の2第1項では、「事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動が業務上必要かつ相当な範囲を超えて、雇用する労働者の就業環境を害することのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない」と定めている。
この法律でいう職場いじめに該当するには、「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えること」「労働者の就業環境を害すること」という3つの要件を満たす必要がある。逆に、業務上必要かつ相当な範囲内での業務指導や指示は、当然ながら本法でいう職場いじめには該当しない。報告書では、日本の厚生労働省による職場いじめの6つの類型(実際にはこれら6類型を超える可能性がある)もまとめられている。
報告書は最後に、法改正と日本の厚生労働省の告示内容を参考にすると、職場いじめの要件が規定され、職場いじめの類型が区分されており、事業主が職場いじめを申し立てた労働者を解雇したり報復したりすることを禁止する明文規定もあり、事業主が労働者に良好な就業環境を確保すべきという趣旨は極めて良いものだとしている。ただし、この法律には職場いじめの加害者や事業主に対する罰則規定が設けられていないことが惜しまれるが、いずれにせよ、台湾の公私部門でのいじめの認定や法改正において、この報告書は参考の一つとなりうるとしている。
編集:佐野華美