台湾ボクシング 黄筱雯・甘家葳が、日本遠征トレーニング オリンピック金メダル指導者から学ぶ!

台湾のボクシング選手・黄筱雯(右)が日本で遠征トレーニングを行った。(劉宗泰提供)
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パリオリンピック出場、台湾代表ボクシング選手、黄筱雯と甘家葳は11月中旬、コーチ劉宗泰の引率のもと、東京で遠征トレーニングを行い、東洋大学、日本体育大学、日本大学の3大学のボクシング部と交流した。その過程で、《風傳媒》も日本のボクシング名門校である日本体育大学を訪れ、2選手の練習・模擬試合の様子を見学し、両選手にインタビューを行った。日本体育大学のボクシング部には約30名の男女選手が所属しており、そのコーチも著名で、2020東京オリンピックで入江聖奈選手を女子57kg級金メダルへと導いた浅村雅則コーチである。

黄筱雯は女子ボクシング選手で、輔仁大学体育学部と同大学院を卒業。2020年東京オリンピックでは女子51kg級で銅メダルを獲得し、これは台湾史上初のオリンピックボクシングメダルとなった。また、2019年と2023年の世界女子ボクシング選手権では2度のフライ級金メダルを獲得。現在は同学部の助教授を務めている。甘家葳は台湾の男子ライトミドル級ボクシング選手で、台湾少数民族のツォウ族、ブヌン族、アミ族、プユマ族の血を引いている。2022年杭州アジア大会ではライトミドル級(71kg級)で銀メダルを獲得、台湾の53年ぶりの男子ボクシング最高成績を記録した。

日本交流で競技力の向上を期待

今回の遠征には13名が同行、2名の選手の他、トレーナー、スパーリングパートナー、補欠選手など大勢のメンバーが参加した。劉宗泰コーチは、今回の日本遠征の重点は、日本のボクシング最強大学との交流にあると述べた。また、台湾ボクシング代表チームが昨年の杭州アジア大会とパリオリンピックで日本代表チームを上回る優秀な成績を収めたため、日本の大学は台湾のボクシング選手を友好的に歓迎し、互いに切磋琢磨してボクシングの実力を高めることができたと述べた。劉宗泰は、今回の遠征を通じて黄筱雯と甘家葳らの選手が月末のイギリス世界選手権に向けて準備を整え、好成績を収めることを期待していると述べた。

黄筱雯はインタビューで、オリンピック前にも日本でトレーニングを行い、当時は日本の各大学の選手と台湾の選手が実戦的な練習を行い、効果が顕著だったと述べた。彼女は「日本の選手は普段は礼儀正しい態度を見せるが、いったんトレーニングが始まると全神経を集中し、真剣に各練習に向き合うため、試合での実際の状況をより具体的に体験することができる」と強調。日本の選手との練習について、黄筱雯は、日本のボクシングはアジア地域で侮れない実力を持ち、オリンピック金メダルの記録も持っているため、今回の遠征は相互交流であるとともに、試合前の模擬準備でもあったと述べた。 (関連記事: 五輪の舞台で揺れる台湾選手のアイデンティティ - 「中華台北」の苦悩をNYTが報道 関連記事をもっと読む

台灣拳擊選手黃筱雯。(黃信維攝)
​​台湾のボクシング選手・黄筱雯は、オリンピック前にも日本でトレーニングを行った。(黄信維撮影)​

黄筱雯が具体的な成果を語る 日本選手のスピードと防御から学ぶ

今回の交流での具体的な成果について、黄筱雯は特に日本選手の「スピード」と「防御」の技術を挙げた。彼女は、自身の対戦相手の多くは体格が小さく攻撃的だが、今回の練習では日本チームが特別に50kg級のナショナルチームの仲間を相手に組んでくれたと指摘。日本選手のスピードは本当に速く、防御も非常に緻密だった。「彼らの突進は往々にして対応が難しく、特に私が完全に出拳の意図を読み取れていない時に、突然の出拳に驚かされる」と。彼女は、今回のトレーニングで対応技術をより完璧なものにし、将来の試合に向けて準備を整えることができたと率直に語った。