日本のジャーナリスト矢板明夫氏が代表を務める「インド太平洋戦略シンクタンク」は本日(28日)、最新の世論調査を発表し、台湾海峽情勢・アジア諸国に対する印象・台湾の民生問題に関する台湾市民の見方を詳しく調査した。その結果は、現在の国際情勢と内部的課題に対する台湾社会の実態を示している。
調査結果について
調査結果によると、92%の回答者が「台湾は自国である」と考え、77.5%が「台湾は中国に属していない」と認識しており、主権と国家アイデンティティに関する台湾市民の高い共通認識が反映されている。中共からの軍事的脅威に関して、41.3%の回答者が主な戦場は「台湾領土」になると考え、38.2%が「台湾海峡」になると考える。中共が台湾を攻撃した場合のアメリカの対応について、29.4%が「武器と情報の提供」を、次いで21.8%が「中共への経済制裁」を予想し、7.4%が「直接的な軍事介入による台湾防衛」を予想している。
「最も好きなアジアの国」の項目では、日本が64.9%と圧倒的な支持を得て首位となり、他国を大きく引き離した。これに対し、中国はわずか7%、韓国は4.7%の支持にとどまっている。回答者は日本の魅力として「街がきれい」(13.3%)、「景色が美しい」(12.1%)、「歴史文化」(8.2%)を挙げている。日本人を最も代表する人物としては、大谷翔平(33.6%)が首位で、次いで安倍晋三(26.5%)、志村健(5.8%)、初音ミク(3.5%)、三上悠亜(3.1%)となった。
国際情勢に加えて、国内の民生問題への関心も顕著である。39.1%の回答者が政府に「住宅価格と物価問題」の優先的解決を望み、次いで「水不足と電力不足」(17.3%)、「大気汚染」(14%)となっている。これらの結果は、住宅負担と生活費が現在の市民の最大の関心事であることを示している。産業政策について、TSMCの海外工場設立に関しては51.6%の過半数の回答者が米国、日本、ドイツなどでの工場設立を支持している。
調査ではさらに回答者の政党支持傾向を分析し、48.7%が態度を表明せずまたは中立を選択しており、これは中立票が依然として台湾政治における重要な力であることを示している。また、27.3%が汎緑陣営を支持、15.6%が汎藍陣営を支持している。
前回の調査と比較
インド太平洋戦略シンクタンクによると、前回9月21日に発表した第一波の調査では日本人を対象に「日本人の台湾および台湾海峡問題に対する認識」に焦点を当て、71.2%の日本人が台湾を独立国家と認識していることが判明した。今回11月の世論調査は「台湾人の台湾海峡情勢および日本認識調査」であり、国際情勢、内政民生、国家アイデンティティに関する台湾市民の多様な見解をさらに明らかにしている。台湾市民の主権と国家アイデンティティに関する高い共通認識が明確に見て取れ、国内外の課題への対応姿勢も明確な方向性を示している:国際的には民主主義国家との協力を強化し、国内では民生負担と経済問題の優先的解決が必要とされている。
編集:佐野華美 (関連記事: 世論調査:台湾有事は日本有事か?台湾海峡で紛争発生なら、日本人4割以上が米軍の後方支援に賛成 | 関連記事をもっと読む )
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