トランプ次期大統領は6日、SNSを通じて元PayPal最高執行責任者のデービッド・サックス氏を、次期政権の「ホワイトハウスAI・暗号通貨皇帝」(White House A.I. & Crypto Czar)に任命すると発表。トランプ氏は「サックス氏が暗号通貨産業が求める明確な規制の法的枠組みを構築し、将来的に米国本土で発展できるよう尽力する」と述べている。「皇帝」という呼称はメディアによる通称ではなく、トランプ氏自身の声明文で使用されているが、これが最終的な正式職名となるかは確認されていない。
業界から歓迎の声
サックス氏の入閣news、先の新SEC委員長アトキンス氏の任命と合わせ、多くの暗号通貨業界関係者や投資家を喜ばせ、トランプ次期政権による規制緩和への期待が高まっている。この新職務の任命発表は、OpenAIのサム・アルトマンCEOを含む、AI及び仮想通貨界の重鎮たちから祝福の声が寄せられている。
サックス氏のプロフィール
現在52歳、マスク氏と同じく南アフリカ出身のサックス氏は、ベンチャーキャピタルCraft Venturesの共同創業者で、国際的なオンライン決済プラットフォームPayPalの草創期の幹部の一人である。サックス氏は、トランプ氏の有力な支援者ピーター・ティール氏やマスク氏を含む「PayPalマフィア」の一員として知られている。
シカゴ大学で法学博士号を取得したサックス氏は、PayPal以外にも、ソーシャルサービス企業Yammerを創業し、2012年にマイクロソフトに12億ドルで買収されたことでも知られている。2007年に妻のジャクリーン・トルトリスと結婚し、3人の子供がいる。
専門家の評価
複数の関係者へのメディアの取材によると、暗号通貨運用会社の投資責任者マシュー・ディブ氏は、この任命について「市場にとって極めてポジティブな効果がある。デービッドは長年、暗号通貨分野に深く関与し、時にはSolanaのようなトークンを自ら保有することもあった。彼の暗号通貨技術やビジネス運営における知識と能力は、多くの人の予想を超えているかもしれない」と評価している。
一方、ベンチャーファンドKindred Venturesの創業者スティーブ・ジャン氏は「規制措置は現在より緩和される可能性が高いが、完全な規制撤廃にはならないだろう」と指摘している。
トランプ氏は今回の選挙期間中、仮想通貨を公然と支持し、「米国を地球の暗号通貨の首都にする」との約束や、国家レベルのビットコイン準備金の創設を掲げている。これらの楽観的な期待から、ビットコインは短期間で急騰し、5日には10万ドルの大台を突破して過去最高を記録。トランプ政権が引き続き前向きなシグナルを送り続けることで、市場や投資家たちは、ビットコインの更なる成長と、米国金融市場における暗号通貨の重要性の高まりを一層期待している。
編集:佐野華美 (関連記事: 呂紹煒コラム:早くも始まるトランプの関税戦争、台湾も無傷では済まない | 関連記事をもっと読む )
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