国際宇宙ステーション日本人船長の若田光一氏:「宇宙で臭豆腐を食べるのが夢」

若田光一氏が無重力状態での水渦実験を行う様子(写真提供:JAXA)

史上初の日本人国際宇宙ステーション(ISS)船長である若田光一氏が中央社のインタビューで、台湾は衛星やロケット計画を持っているため、さらに有人宇宙開発を進めるべきだと提言。「台湾の人々がどんな食べ物を宇宙に持っていくのか興味があります。宇宙で臭豆腐を食べるのは、まさに私の夢です」と笑顔で語った。

若田氏は初めて台湾を訪問し、台湾宇宙国際会議の期間中に中央社のインタビューに応じた。

1969年、わずか5歳だった若田氏はテレビでアポロ11号の月面着陸成功を見て、宇宙への憧れを抱き始めた。しかし、当時の日本人にとってそれは遠い夢だった。日本には自国の宇宙飛行士も衛星もロケットもなく、「宇宙はアメリカ人か旧ソ連の人々しか行けない場所でした」と語る。

国際協力の仕組みのおかげで、若田氏によると、日本はISS計画に参加後、宇宙飛行士を持つようになり、政府も宇宙開発計画を強力に支援。数十年後の今日、日本は宇宙開発大国へと成長し、国際的にも信頼できるパートナーとなっている。アメリカが主導する有人月面回帰計画では、日本人宇宙飛行士2名が月面着陸を果たす予定だ。

「台湾にも同じような潜在力があると見ています」と若田氏は中央社記者に語った。台湾は半導体などの技術分野で世界をリードしており、技術大国としての優位性を維持するには、有人宇宙計画が大きな助けとなる。宇宙飛行士は微小重力環境で多くの研究を行うことができ、例えば世界に貢献する新薬や新材料の開発などが可能だからである。

若田氏は、欧米や日本でよく有人宇宙開発がどれほどの経済的利益をもたらすのかと質問されると明かした。確かにこのような計画には巨額の予算が必要だが、彼は収益は数字だけでは測れないと考えている。微小重力下で得られる革新的な研究成果は、国の発展を促進し、次世代の人材を触発する。これらの効果は数値化できないものである。

現在、台湾は既に衛星を開発できる能力を持ち、ロケット計画も進行中である。若田氏は、さらに有人宇宙開発を進めれば、台湾の技術は人類の宇宙開拓の過程で大きく貢献できるはずだと断言する。台湾の学生との会食で、学生たちが微小重力研究や宇宙への飛行への憧れを表明したことも明かし、「台湾がこの強い願望を支援することを願っています」と述べた。

若田氏は宇宙での滞在時間が合計504日18時間35分に達し、日本人最長記録を樹立。宇宙生活で最も印象に残った3つの出来事を共有してくれた。

まず間違いなく、長年の訓練を経て初めての宇宙飛行任務に就いた時のことだ。若田氏は日の出時に初めて地球を見た時のことを振り返り、青い海に囲まれた美しい故郷が輝く宝石のように見え、その言葉では言い表せない感動と衝撃が、地球環境を守りたいという強い決意を生んだと語る。 (関連記事: 韓国・尹大統領ついに国会で弾劾可決:「正義の化身」から「民主主義の罪人」へ転落、今後いかに 関連記事をもっと読む

また、2回にわたり計14時間の宇宙遊泳を経験したことについて、非常に疲れる作業ではあったものの、ヘルメットのバイザー越しに見た夜空は光害がなく、天の川や星々、月がはっきりと見え、忘れられない思い出となったと語る。