韓国世論調査:75%が「尹大統領の即時退陣」支持、「戒厳令で心理的影響」も6割超

2024年12月9日、ソウルで行われた尹錫悅弾劾デモ。参加者らが与党「国民の力」の党旗を破り捨てる様子。(AP通信)
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韓国の世論調査機関Realmeterが12日に発表した最新の調査では、国民の7割以上が尹錫悅大統領の即時退陣もしくは弾劾を望んでいることが明らかになった。

世論調査 結果

Realmeterは『エネルギー経済新聞』の依頼により、11日に全国18歳以上の507人を対象に調査を実施(信頼度95%、サンプリング誤差±4.4ポイント、回答率7.6%)。その結果、「尹錫悅は即時退陣するか弾劾され、職務を停止すべき」と答えた回答者は74.8%に達した。与党「国民の力」が提案する「秩序ある退陣」案に賛成した回答者はわずか16.2%で、「分からない」と答えた回答者はわずか9%。また、66.2%の回答者が戒厳令事件により心理的な影響を受けたと回答。

年齢別では、30~49歳の回答者の「尹錫悅即時退陣もしくは弾劾」支持率が80%を超えた。50代では78.1%、18~29歳では73.9%、60代では71.2%、70歳以上では52.8%。政治的傾向別では、進歩派回答者の92%が「尹錫悅即時退陣もしくは弾劾」に賛成し、中道派の83%、保守派の43%もこの意見を支持。

韓国の現状 辞任はありうるのか

現在、尹錫悅は辞職を拒否、国会が先日試みた弾劾も失敗に終わっている。与党「国民の力」は、尹錫悅が第二線に退き、韓悳洙首相が大統領職務を代行する案を提示したが、この提案は「第二のクーデター」との批判を受けている。憲法体制に反する「第二線退陣、首相の職務代行」という方法も憲法秩序を乱すものとして批判され、韓国軍の統帥権の所在についても広く疑問が投げかけられている。「国民の力」はその後、「来年2~3月に尹錫悅が退陣し、4~5月に大統領選挙を実施する」案を提示したが、大統領退陣までの国政運営に関して依然として多くの疑問が残るとの批判を受けている。

韓国メディア『中央日報』は、尹錫悅が近く逮捕された場合、獄中から国政を指導するような事態となれば混乱を招き、国際社会の笑い物になるだろうと指摘。また、首相による大統領職務代行案については、憲法規定に反するだけでなく、韓悳洙首相自身が戒厳令宣言前の国務会議で議論に参加していたため、戒厳令を阻止できなかった責任から逃れることは難しいとしている。『中央日報』は、尹錫悅の自主的な退陣こそが混乱収束への最良の方法だと主張。なぜなら、弾劾の場合でも約3か月の時間を要し、即時に大統領権限を停止できるものの、尹錫悅が憲法裁判所で最後の抵抗を試み、社会の資源を無駄に消費する可能性があるためだ。尹錫悅が即時に辞職しない限り、どのような方法を取っても違法・違憲の議論から逃れることは難しい。

編集:佐野華美 

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