舞台裏》重要人事異動!行政院長の要請で頼清徳総統が「国家安全保障と内政を繋げる重要人事」を決定

2024-12-19 18:30
民進党政府が内閣人事異動を発表。頼清徳総統の側近で国家安全会議諮問委員の馬永成(写真)が行政院政務委員に異動する。(アーカイブ写真、撮影:陳明仁)
民進党政府が内閣人事異動を発表。頼清徳総統の側近で国家安全会議諮問委員の馬永成(写真)が行政院政務委員に異動する。(アーカイブ写真、撮影:陳明仁)
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民進党政府は重要な内閣人事の変更を発表し、頼清徳総統の側近である国家安全会議諮問委員の馬永成が行政院政務委員に異動する。行政院長の卓栄泰は、馬永成が社会全体の防衛力向上を担当し、その中で行政院が実行すべき業務を引き継ぐと述べた。現在、行政院政務委員には既に前陸軍副司令官の季連成中将が国防、災害救助、全民防衛を担当しているが、馬永成の業務は季連成と重複しないのかという疑問が浮上している。

馬永成は陳水扁総統時代、ナンバー2として補佐官を務め、有能で調整能力に長けていたが、誤った人物に付いたことで失敗した。陳水扁の汚職事件に巻き込まれ、彼ともう一人の側近である林徳訓は10年間仕事を見つけられなかった。馬永成と林徳訓は国務機密費事件で無罪判決を受け、頼清徳の総統選挙期間中に両者を重用、林徳訓は現在行政院長弁公室主任を務めており、馬永成が国安会から行政院に異動後、再び二人が手を組むことになる。今回の人事異動は、頼清徳が台湾の国家安全保障と内政を結びつける最も重要な人事となっている。

20231201-前總統府副秘書長馬永成(左一)為前總統陳水扁(右一)大將。(新新聞資料照)
馬永成(左端)は陳水扁(右端)総統時代、トップの下で他のスタッフの上に立つナンバー2の補佐官を務めた。(新新聞アーカイブ写真)

国家安全保障の経験は李・陳・蔡政権を跨ぐ 馬永成、頼清徳から厚い信頼

馬永成は特異な経歴を持っている。陳水扁が総統選挙に臨む最終段階で、現外交部長の林佳龍とともに李登輝の国安幕僚と連携し、社会の有識者で構成される国政顧問団を組織して陳水扁を総統府入りさせた。その後、李登輝の国安チームは初めての政権交代となった民進党政権を支援することとなり、当時の馬永成は李登輝の国安チームと協力した数少ない陳水扁チームの代表者の一人で、潜水艦を含む国家安全保障の重要案件について李登輝の国安幕僚とともに米国との交渉に参加。

関係者によると、李登輝が陳水扁に残した国安チームは馬永成を高く評価し、有能な人材だと認識していた。前総統の蔡英文は李登輝、陳水扁両総統に抜擢され、陳水扁政権時代に馬と共に働いた。つまり、馬永成は現在の頼清徳政権において、国家安全保障分野で李登輝、陳水扁、蔡英文の経験を横断的に持つ極めて稀な政治実務者である。

總統賴清德出席「2024國家祈禱早餐會」。(蔡親傑攝)賴清德(見圖)對馬永成極為信任,當選總統後,安排馬永成在國安會。(資料照,蔡親傑攝
頼清徳(写真)は馬永成を深く信頼しており、総統当選後、国家安全会議に配置した。(アーカイブ写真、撮影:蔡親傑)

この稀有な経験と人格的特質から、関係者によると、頼清徳は馬永成を非常に信頼している。ある会議後、頼清徳は馬永成を見送ると言い、エレベーターホールまでと思われたが、実際には馬永成の車に同乗し、目的地まで直接送り届けたという。頼清徳が総統当選後、馬永成は国安会に配置されたが、民進党内部では、それは単なる肩書きで、実際には馬永成はどのようなポジションでも務めることができ、多くの問題を解決できる人物として知られている。

行政院長卓榮泰(左)向賴清德借調馬永成,盼助政院與黨團的互動。(資料照,柯承惠攝
行政院長の卓栄泰(左)は頼清徳から馬永成の異動を要請、行政院と党団との関係改善に期待。(アーカイブ写真、撮影:柯承惠)

国家安全保障と内政を結ぶ 馬永成は頼政権の重要人事に

行政院と立法院党団のコミュニケーションが円滑でないことから、卓栄泰は馬永成を起用して潤滑剤の役割を期待している。関係者によると、今回の馬永成の異動は、卓栄泰が頼清徳に人材を借りる形で実現した。卓栄泰自身が述べたように、馬永成は豊富な経験と見識を持ち、政策に対して非常に敏感で的確な判断力を持っている。今後は院内各部会の内部コミュニケーション、および中央と地方の事務調整を支援し、報道官とともに対外的な政策説明を行うことで、業務執行の円滑化と内務効率の向上に貢献することが期待される。

国家安全保障と内政を結びつける重要な役割として、馬永成は頼清徳政権の重要な人事となっている。卓栮泰は超級政治補佐官を必要としており、頼清徳も馬永成と国安チームの協力を信頼している。馬永成の異動がいかに重要であるかが伺える。

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