中国「秘密警察署」、ニューヨークのチャイナタウンに潜伏:中国系男性 最高5年の禁固刑へ

ニューヨーク・マンハッタンのチャイナタウンにある長楽公会ビルは、FBIが中国公安部の「秘密警察署」の拠点として特定した場所である。(AP通信)

ニューヨーク在住の60歳の中国系アメリカ人陳金平チェン・ジンピン)は、2023年に中国公安部(MPS)の指示を受け、マンハッタンのチャイナタウンで「秘密警察署」を運営。長期にわたり北京のために米国在住の民主活動家や異議者の監視と嫌がらせを支援した疑いで起訴された。1年以上の審理を経て、チェン被告は検察と司法取引に合意し、中国政府の非合法代理人を務めたことを認め、最高5年の禁固刑に直面している。

BBCなど海外メディアの報道によると、チェン・ジンピンと盧建旺(ル・ジャンワン)の2人は2022年初めから、ニューヨークのチャイナタウンの米国長楽公会ビルで、いわゆる秘密警察署を運営していた。ラーメン店などの上階に潜伏していたこの機関は、証明書の更新などの代行サービスを提供する一方で、水面下で中国政府のために「特定の人物」、特に中国共産党に公然と反対する民主活動家の監視を手助けしていた。

米司法省のマシュー・オルセン次官補は、これら無届けの海外警察署は米国の主権に対する露骨な挑戦行為であり、地域社会に大きな脅威をもたらすとして「我々は決して容認しない!」と述べた。しかし、前述の2人が逮捕され連邦捜査局(FBI)が警察署を閉鎖するまで、北京側はこの拠点が警察署であることを一貫して否定し、これらの機関は単に中国の海外僑民に行政サービスを提供するサービスステーションに過ぎないと主張し続けた。

チェンとルの2人は共に米国市民で、チェン・ジンピンは罪を認めたものの、同時に逮捕された59歳のル・ジャンワンはすべての容疑を否認し、現在公判を待っている。連邦検察は、ルが中国から逃れたとされる人物に対して何度も接触し、中国への帰国を要求したこと、さらに調査で、ルがカリフォルニアで中国共産党当局者を手助けし、ある民主活動家を尾行・監視していたことが判明したと指摘している。

美國國旗飄揚在中國機構外面。(美聯社)
アメリカ国旗が中国機関の建物の外に翻っている。(AP通信)

このアメリカが「秘密警察署」と呼ぶ機関について、スペインのNGO「セーフガード・ディフェンダーズ」(Safeguard Defenders)の調査によると、世界各国に少なくとも100の拠点が存在し、53カ国に分布している。そのほとんどがサービスステーションや同郷会を隠れ蓑として、密かに監視活動を行い、海外在住の中国公民と異議者の監視を専門としている。

北京は米側の告発を断固として否定しているが、AP通信の4月の報道によると、この論争を呼んでいるニューヨークの警察署は、中国公安部福州分局が運営を担当していた。彼らは福建省政府が2002年2月に発表したプレスリリースから、同省が五大陸に30カ所の「福州警察海外サービスステーション」を設置していることを発見した。数百年の歴史的発展を振り返ると、福建省と広東省は東南アジア、北米、オーストラリア、欧州における中国系移民の重要な出身地となっている。

西班牙非政府組織「保護衛士」(Safeguard Defenders)調查發現,中國公安部在海外設有100處所謂的服務站。(翻攝自官網)
スペインのNGO「セーフガード・ディフェンダーズ」(Safeguard Defenders)の調査によると、中国公安部は海外に100カ所のいわゆるサービスステーションを設置している。(公式ウェブサイトより)

民間組織の報告書でも、米国本土以外にも、これらのサービスステーションはカナダ、ニュージーランドなど多くの国に存在し、一部は大使館や領事館内に、また別の一部は異なる身分で、現地のチャイナタウンや中国人集住地域に潜伏していると指摘している。

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