トップ ニュース ハメネイ師「斬首作戰」の舞台裏 イスラエルが25年かけテヘランを「デジタル包囲」した「クラウド・ハンティング」計画の全貌
ハメネイ師「斬首作戰」の舞台裏 イスラエルが25年かけテヘランを「デジタル包囲」した「クラウド・ハンティング」計画の全貌 イランの最高指導者アリ・ハメネイ師。(写真/AP通信提供)
イランの首都テヘラン、パストゥール通りの硝煙が消え去る中、史上最も複雑かつ長期間にわたって準備された情報工作の詳細が明らかになりつつある。イスラエルはいかにして、この閉ざされた国家の壁を突き破り、最高指導者アリ・ハメネイ氏(Ali Khamenei)の「斬首作戰」をこれほどまでに正確に完遂させたのか。
その裏側にあったのは、25年もの歳月を費やした壮大な布石だった。都市の監視カメラを利用し、遠隔地から一国家の首都を徐々に掌握していく「クラウド・ハンティング計画」の存在が浮上した。
英紙『フィナンシャル・タイムズ 』は、内部事情に詳しい関係者の話として、ハメネイ氏およびイラン軍政高官らの排除に成功した要因を報じている。イスラエル国防軍(IDF)の精鋭「8200部隊」と対外情報機関「モサド(Mossad)」の功績はもちろんのこと、その根底にあったのは、25年にわたり最新テクノロジーと諜報力を結集させた大規模な「デジタル包囲網」であった。
この暗殺作戦の起源は、2001年にまで遡る。当時首相を務めていた故アリエル・シャロン(Ariel Sharon)氏は、モサド長官のメイア・ダガン(Meir Dagan)氏に対し、パレスチナやシリアに割いていたリソースを大規模に転換し、最大の敵であるイランに全力を集中させるよう極秘指令を下した。
関係者によれば、イスラエルの情報機関は過去20年以上にわたり、テヘラン市内のほぼ全ての交通監視カメラシステムへのハッキングに成功していたとされる。これらの映像は暗号化された上で、リアルタイムにテルアビブのサーバーへと転送された。イスラエルが誇る「ソーシャル・ネットワーク分析(Social Network Analysis)」技術を駆使し、数十億に及ぶデータポイントの中から、イラン政府の意思決定を担う核心グループの特定と、その生活習慣のプロファイリングを一つずつ進めていったのである。
2026年2月28日、イラン・テヘランでの爆発後、立ち上る黒煙を見つめる人々。(写真/AP通信提供)
掌握したデータとリアルタイム映像を基に、イスラエルはアルゴリズムを用いた分析を行い、ハメネイ師の警護チームを標的とした「生活特性(パターン・オブ・ライフ)」モデルを段階的に構築した。このシステムは、随行員が自家用車をどこに駐車しているか、その通勤ルート、勤務時間といった、あらゆる些細な詳細事項を記録することが可能だった。
ある匿名情報官は、「我々はテヘランの街並みを、自分が育った故郷の通りのように熟知している」と自負を語っている。
米中央軍司令部によるイラン軍事基地への空爆。(写真/AP通信提供)
米中央軍司令部によるイラン軍事基地への空爆、離陸前の戦闘機を標的とした。(写真/AP通信提供)
米中央軍司令部によるイラン軍事基地への空爆、地上の火砲・ミサイル車両を標的とした。(写真/AP通信提供)
戦略の転換 同紙はまた、2023年10月7日のハマスによる襲撃が、イスラエルの既存の論理を一変させたと指摘している。外国指導者の生命は、もはや「不可侵のタブー」ではなくなったのだ。ハメネイ師への攻撃に先立ち、2024年にはハマス最高指導者のイスマイル・ハニヤ氏の暗殺に成功。さらにポケベル通信網を利用し、レバノンのヒズボラ内部を一挙に切り崩した。
しかし、この歴史的な功績をイスラエルは独占せず、ドナルド・トランプ米大統領と中央情報局(CIA)の協力によるものだとした。情報当局者の説明によると、空爆開始直前、イスラエルはパストゥール通り周辺にある約12カ所の携帯電話基地局を無力化した。これにより、警備担当者が脅威を感じて支援を要請したり警告を発しようとしても、通信が遮断され、ハメネイ氏が土壇場で退避する可能性を効果的に封じ込めたという。
2025年3月8日、高官らに演説を行うイランの最高指導者ハメネイ氏。背後にはホメイニ師の写真が掲げられている。(写真/AP通信提供)
決行当日の早朝、ハメネイ氏の正確な居場所を特定する最終的な情報は、CIAの協力者からもたらされた。その情報を受け、ハメネイ氏が中枢高官らと公邸で朝食をとっている隙を突き、トランプ氏は大統領専用機「エアフォース・ワン」機上で執行命令に署名した。米軍がサイバー攻撃によってイランの防空レーダーを「無力化」した後、イスラエル軍の戦闘機がミサイルを発射。白昼堂々、最高指導者の公邸を破壊し、歴史的な斬首作戦を完遂したのである。
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