【2026冬季五輪】台湾の「氷上の新星」李宇翔、19歳で刻んだ歴史 地元育成選手として初のフィギュア決勝進出、祖母と歩んだ銀盤の軌跡

2025年12月8日、アリアンツ生命の記者会見で華麗な演技を披露するフィギュアスケートの李宇翔選手。(写真/陳怡慈撮影)
2025年12月8日、アリアンツ生命の記者会見で華麗な演技を披露するフィギュアスケートの李宇翔選手。(写真/陳怡慈撮影)

ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪が閉幕した。今大会、フィギュアスケートの舞台で最も観客の心を揺さぶったシーンの一つは、台湾から現れた若き新星、李宇翔(リー・ユーシャン)選手が氷上で見せた気高き姿であった。

19歳の李宇翔選手は、男子シングル決勝で合計214.33点を獲得し、総合23位という結果を残した。順位以上に、彼が刻んだのは台湾フィギュアスケート界にとって歴史的な一ページである。

亞熱帯の島から世界へ:逆境を覆した情熱

冬季オリンピックはスキー、スケート、ボブスレー、リュージュ、アイスホッケーなどの種目を網羅しているが、気候が温暖で一年中氷雪を見ることが難しい台湾にとって、これは本来馴染みのある舞台ではなかった。

しかし、一見して有利とは言えないこのような環境の中で、李宇翔選手は純粋な情熱と不屈の意志を武器に、一歩ずつ世界の舞台へと滑り出した。彼の出現は、単なる個人の突破にとどまらず、「台湾の選手であっても、氷の上で優雅かつ力強く輝ける」ということを世界に知らしめた。

李宇翔選手が初めてスケート靴を履いたのは8歳の時。祖母に連れられ、西門町のスケートリンクに足を踏み入れた瞬間、彼の世界は一変したという。氷の上の魔法に魅了されたその日に、フィギュアスケート選手になるという夢の種が蒔かれた。

それ以来、李宇翔選手は祖母に手を引かれ、連日のようにリンクへと通い詰めた。来る日も来る日も繰り返される厳しい練習の中で、彼の才能は次第に開花していったのである。こうして李宇翔選手は正式にフィギュアスケートの道を歩み始めた。それは氷の上から始まり、世界の舞台での開花へと続く道であった。

「地元育成選手」として初の決勝進出

李宇翔選手の決勝進出は、台湾にとって28年ぶりの快挙であった。特筆すべきは、彼が「台湾本土で育成・訓練を受けた初の男子選手」として五輪の決勝に進んだという点だ。

五輪の切符を手にした際、李宇翔選手は激動のあまり涙を流した。後のインタビューで、彼はスケート人生で最も感謝している人物として祖母の名を挙げた。祖母は毎朝早くに起きて練習に付き添うだけでなく、彼の心身を支える最大の拠り所であり、メンターのような存在であった。

2026年2月11日、祖母が見守る中で李宇翔選手はショートプログラム(SP)に臨んだ。そこでマークした72.41点は、自身の持つ自己最高記録を更新する会心の滑りとなった。決勝進出が決まった瞬間、彼は感極まって祖母の懐に飛び込んだ。その姿は、会場全体の感動を誘った。

早朝4時の台北アリーナ:孤独な努力の結末

「フィギュアスケートの普及」を人生の目標に掲げる李宇翔選手にとって、その道はスタート地点から険しいものだった。かつてのインタビューで、彼は台北アリーナの一般開放前に練習するため、毎日早朝4時や5時に起きていたことを明かしている。

時には観光客で賑わうリンクで動作を磨き、練習を終えると急いで学校へと向かう日々。限られたリソースの中で世界のペースに追いつくため、自費で海外遠征を繰り返す必要もあった。

しかし、そのような逆境があったからこそ、李宇翔選手の滑りには独特の深みが宿った。彼のジャンプと着氷のひとつひとつは、単なる技術の披露ではない。亜熱帯の島から環境に抗い、前進し続けてきた「決意」と「勇気」そのものであった。19歳の新星がミラノの地で見せた優雅なる挑戦は、台湾のウィンタースポーツに新たな希望の光を灯した。

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編集:梅木奈実

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