東日本大震災の発生からまもなく15年の節目を迎えるにあたり、牧野たかお復興大臣は2026年2月27日、フォーリン・プレスセンターで「東日本大震災から15年 復興・創生その先へ」をテーマに会見を行った。牧野大臣は冒頭で、犠牲者への哀悼の意を表するとともに、これまでに195の国と地域、68の国際機関から寄せられた支援に改めて感謝を述べるとともに、被災地の「現在地」と「未来」を包括的に報告した。
インフラ整備は完了、第3期「復興・創生期間」へ
復興の進捗について、牧野大臣は道路や災害公営住宅などのインフラ整備が100%完了したことを報告。水産加工施設の99%が業務を再開し、日本産食品への輸入規制を継続する国・地域は、当初の55から5つ(3カ国・2地域)まで減少した。2026年度からは「第3期復興・創生期間(2026-2030)」が始まり、被災地の完全な自立に向けた支援が継続される。

観光業に関しては、福島県の外国人宿泊者数は回復を見せているものの、原子力災害の風評被害の影響により、一部の地域ではまだ震災前の水準に達していないと指摘し、政府として引き続き観光振興を後押しする姿勢を示した。
科学的データが示す福島の安全性
福島県内の空間線量率は除染や自然減衰により大幅に低下し、現在は福島市で毎時0.10マイクロシーベルトなど、ロンドン(毎時0.11マイクロシーベルト)やソウル(毎時0.12マイクロシーベルト)といった世界の主要都市と同等かそれ以下の水準にあることがデータで示された。
農林水産物のモニタリング検査でも、基準値を超える放射性物質が検出されることはほとんどなく、2024年産玄米の全量全袋検査(7万4813件)でも基準値超過はゼロであった。
避難指示区域は福島県全域の2.2%にまで縮小し、大熊町のJR大野駅前には2025年3月に商業施設「Kuma SUN Terrace」や産業交流施設「CREVA Okuma」がグランドオープンし、浪江駅周辺でも整備が進むなど、生活環境の再建と新たな賑わいの創出が着実に進んでいる。
廃炉とALPS処理水の現状
東京電力福島第一原子力発電所については、敷地内の約96%のエリアで防護服を着用せずに一般作業着での活動が可能になった。
廃炉作業の進捗として、3号機と4号機の使用済燃料プールからの燃料取り出しが完了し、2号機では2024年11月と2025年4月の2回にわたり、テレスコ式装置を用いた燃料デブリの試験的取り出しに成功したことが報告され、現在は回収されたサンプルの分析が進められている。
さらに、ALPS処理水に関しては、2023年8月の放出開始以降、2026年1月までに17回の放出が完了しており、迅速測定においてトリチウム濃度が最大で1リットルあたり61ベクレルと、国の安全基準やWHOの飲料水基準を大幅に下回っていることから、IAEAの評価も含めて安全性が確認されていると強調した。
創造的復興:F-REIと次世代への伝承
未来に向けた取り組みとして、福島県内の除染で発生した除去土壌の県外最終処分に向けた理解醸成のため、首相官邸や中央省庁の花壇での再利用を開始したほか、浪江町において2030年度の順次供用を目指す「福島国際研究教育機構(F-REI)」の施設整備状況が紹介された。また、2025年の大阪・関西万博では復興庁ブースに約4万8000人が来場し、世界中から1万1700件の応援メッセージが寄せられたことにも触れ、次世代へ教訓を伝える伝承施設の活用とともに、被災地の創造的復興に全力を尽くす決意が語られた。
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編集:小田菜々香












































