トップ ニュース 横田めぐみさん失踪から47年 大阪高島屋で写真展開催中 13歳で止まった記憶と、父が遺した「家族と過ごした13年」
横田めぐみさん失踪から47年 大阪高島屋で写真展開催中 13歳で止まった記憶と、父が遺した「家族と過ごした13年」 拉致被害者・有本恵子さんの姉、北谷昌子さん。会場でインタビューに応じ、政府への強い期待を語った。(写真/丁勤紜撮影)
大阪・高島屋7階のグランドホールで、静かながらも心に深く響く写真展が開催されている。現在開催中の 『めぐみちゃんと家族のメッセージ 横田 滋 写真展〜めぐみさん 家族と過ごした13年』 は、新たに展示された18点を含む貴重な写真を通して、過酷な運命によって引き裂かれた家族の物語を記録している。好評につき会期は3月9日まで延長され、被害者家族らは拉致被害者第一世代が健在なうちに全被害者の帰還を実現するよう、切実な訴えを続けている。
レンズに収められた、奪われた「当たり前の日常」 会場に並ぶ大型パネルは、単なる記録を超え、それぞれの写真に秘められた家族の痛みを雄弁に語る。これらの多くは、橫田 めぐみさんの父・横田滋さん(故人)が撮影したものであり、今や拉致問題の残酷さを伝える最も力強い証拠となっている。
横田滋写真展会場。(写真/丁勤紜撮影)
中でも注目を集めるのは、めぐみさん(当時13歳)が消息を絶つわずか半年前に撮影された、桜の下での笑顔だ。1977年4月、中学の入学式を病欠した彼女を、回復後に父が撮影した一枚。同年11月、彼女は帰宅途中に北朝鮮の工作員に拉致された。その後、両親とは永遠に別れることになった。この写真は現在、拉致問題解決を願う象徴として日本中で知られている。家族が半世紀にわたって続けた尋ね人の悲劇を語り継いでいる。
橫田めぐみさんの桜の下での制服写真展示。(写真/丁勤紜撮影)
また、12歳のめぐみさんが母・早紀江さんの着物を着てはにかむ姿を収めた写真は、本来なら輝かしい未来を象徴するはずのものだった。「めぐみはもう60歳の『還暦』を迎えましたが、私たちの記憶の中では、ずっとこの姿のまま時が止まっているのです」。ガイドツアー中、家族が漏らしたその言葉に、多くの来場者が足を止めている。
橫田めぐみさん 、母親の着物を着て撮影。(写真/丁勤紜撮影)
書道作品「元朝之志」に宿る真摯な性格 会場で目を引く書道作品「元朝之志」は、めぐみさんが小学校6年生の元旦に書いたものだ。当時、進学を控えていた彼女は非常に強い忍耐力を見せ、納得がいくまで何度も、まるで作家のように完璧な字形を追い求めたという。母・早紀江さんに「適当でよい」と諭されてようやく筆を置いたエピソードは、彼女の真面目で芯の強い性格を物語る。
展示パネルには、当時の教室の壁にこの作品が掲げられている写真も添えられている。これらのゆかりの品々は、めぐみさんが単なる「拉致被害者リストの一員」ではなく、かつて活発で努力家であり、両親に深く愛された一人の少女であったという「当たり前の日常」を、見る者の心に強く訴えかける。
橫田めぐみさん の書道作品。(写真/丁勤紜撮影)
有本さん姉妹が来場、家族間の絆を再確認 彼女たちがめぐみさんの写真の前に立ち、静かに見つめる姿がカメラに収められている。同じ被害者家族として、47年という歳月の一分一秒がどれほど過酷であったか、彼女たちは誰よりも深く理解している。この日の来場は、横田家への連帯を示すとともに、家族会(拉致被害者家族連絡会)の強い絆を改めて世に知らしめる機会となった。
横田滋写真展会場に有本恵子姉妹が観覧に訪問。(写真/丁勤紜撮影)
政治の約束と、時間との戦い 「これは過去の歴史ではなく、現在進行中の人権侵害なのです」展示責任者の森氏は解説の中でそう繰り返した。若者が集まる難波でこの写真展を開催した背景には、社会全体にこの問題への関心を呼び起こしたいという切実な願いがある。
会場では、1983年にロンドン留学中に拉致された有本恵子さん(当時23歳)の足跡についても語られた。兵庫県出身の有本恵子さん は、留学先で消息を絶ち、1988年に拉致の疑いが濃厚であることが判明。 父・明弘さんは人生のすべてを捧げて娘の帰還を願い続けてきたが、今も再会は叶っていない。
家族会は本展を通じ、高市内閣に対し「親族が健在なうちに、すべての被害者を即時に帰還させる」という政府の約束を具体的に実行するよう強く求めた。被害者家族の第一世代が次々と世を去る中、救出活動は文字通り「一分一秒を争う最終段階」に入っている。
横田滋写真展会場。(写真/丁勤紜撮影)
活動情報 この写真展「めぐみちゃんと家族のメッセージ」は、大阪高島屋7階・グランドホールにて2026年3月9日まで開催されている。ショッピングの合間に15分ほど足を止め、半世紀に及ぶ家族の思いに触れてみてはいかがだろうか。
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