北朝鮮の最高指導者、金正恩氏が9月3日、二戦勝利80周年記念行事のため北京を訪問した際、専用列車で中国入りした。この動きは国際的な注目を集め、メディアのカメラには金正恩氏の後ろに小柄な少女の姿が映り込んだ。少女の正体は、金正恩氏の娘である金主愛(キム・ジュエ)氏。北朝鮮国外に姿を現すのはこれが初めてである。
今回の訪問では、金正恩氏は妻の李雪主(リ・ソルジュ)氏を同行させず、娘を同伴。長距離移動を経て国際的な式典に出席させたことから、韓国国家情報院(NIS)などは、金主愛氏が将来的に「金一族の次世代を継ぐ最有力候補」と見ている。
As Kim Jong Un's daughter makes international debut, who is the girl who could lead North Korea?https://t.co/LWJp47P74P
— Sky News (@SkyNews)September 3, 2025
謎に包まれた北朝鮮の“プリンセス”
長年、金主愛氏は金正恩氏と妻の李雪主氏の三人の子どもの二番目と考えられてきたが、実際の子どもの人数は不明だ。金正恩氏は家庭に関する情報を極めて秘匿しており、妻の身元ですら長期間公表しなかった。
金主愛氏が注目される理由は、現時点で北朝鮮の高官によって公式に確認されている唯一の子どもである点だ。他の子どもたちは噂に過ぎず、公の場に姿を現したことはない。

国際社会で彼女の存在が初めて知られたのは意外な人物、元NBAシカゴ・ブルズのデニス・ロッドマン氏によるものだった。2013年の『ガーディアン』インタビューで、北朝鮮訪問中に「友人の娘、金主愛氏を抱いた」と語ったが、当時は確認されず、長年その存在は不透明だった。
2022年11月、金正恩氏が国内で行ったICBM演習に関連する公式写真で、金主愛氏の姿が初めて確認された。翌2023年2月には、北朝鮮の切手にも登場し、公式宴会に出席する姿も見られるようになった。北朝鮮で「尊敬される娘」と公式に呼ばれるのは極めて稀で、通常は最も敬意を集める人物にのみ与えられる称号である。
韓国国家情報院は金主愛氏についてまとめ、推定年齢は約10歳。乗馬やスキー、水泳を好み、平壌で家庭教育を受けているという。2024年1月には、韓国の情報当局は彼女を金正恩氏の最有力な後継者候補と評価した。しかし、父親の金正恩氏はまだ41歳であり、将来の展望には不確定要素が残されている。

近年、金主愛氏は父親とともに公の場に姿を見せる機会が増えている。ICBM発射の現場や視察、新型軍艦の校閲などで金正恩氏の隣に立ち、高位官僚が敬礼する場面も確認されている。
金主愛の登場のタイムライン
2013年9月
元NBAシカゴ・ブルズのデニス・ロッドマン氏が『ガーディアン』のインタビューで、北朝鮮訪問中に金正恩氏と李雪主氏の娘、金主愛氏を抱いたと語った。これにより、初めて金正恩氏夫妻に子どもがいることが明らかになったが、正確な年齢は不明だった。
2022年11月19日 (関連記事: プーチン氏と習近平氏、マイク切り忘れで発覚!「臓器移植で若返る、150歳も可能」と習氏 | 関連記事をもっと読む )
北朝鮮の公式メディアが、金正恩氏がICBM発射を監視する場面に「愛する娘」として金主愛氏の姿を報じた。氏名や年齢は公開されなかったが、南韓の情報機関はこの少女が金主愛氏であることを確認。公開写真では、父親の手を握り、白い子ども用ダウンコートを着る姿が見られた。