トランプ氏のガザ再建構想が明らかに 38ページの機密文書で200万人移住計画、国際的批判相次ぐ

2025-09-03 18:41
ガザ市内は、戦闘によって至る所に瓦礫が散乱している。(AP通信)
ガザ市内は、戦闘によって至る所に瓦礫が散乱している。(AP通信)
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トランプ政権が、ガザ地区の約200万人を一時的に移住させ、先進的な観光・都市開発を行う構想を正式な計画としてまとめていたことが明らかになった。『ワシントンポスト』は2025年8月31日、38ページにわたる機密文書を独占公開。米国が10年間ガザを管轄し、交通網やスマートシティ、海沿いリゾートを整備する具体案が盛り込まれており、住民には現金やデジタル通貨で「自発的移住」を補償する仕組みや、移住先の候補国、資金運用方法まで記されていた。国際社会からは「開発を名目にした事実上の民族浄化」との批判が相次いでいる。

戦後復興を名目にした大規模開発計画

トランプ氏はガザにリゾートを建設する構想を着実に進めている。『ワシントン・ポスト』は8月31日、38ページに及ぶ機密文書を独占公開し、トランプ政権がアメリカによる10年間のガザ管轄を検討していることを報じた。文書によれば、約200万人のガザ住民を「自発的に移住」させ、荒廃した地域を「中東版コート・ダジュール」として、高度技術を活用したスマートシティや観光地に再建する計画が詳細に示されている。この計画には暗号通貨、港湾、空港、海浜住宅開発の導入も含まれる。

この構想は「ガザ再建・経済促進・変革信託」(GREAT Trust)と名付けられ、『ガザ人道基金』(GHF)の活動に関わったイスラエル人らが提案したもので、財務設計はボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が担当した。

トランプ政権は、200万人以上の住民を現地に残して「援助を待たせる」よりも、彼らを「自発的に移住」させ、1人あたり5000ドル(約88万円)の現金補助に加え、デジタル通貨と将来の利益分配を提供する方が合理的と判断している。文書には土地交換の仕組みも盛り込まれ、住民が不動産を放棄すれば信託機構からの担保権が付与される。また、集団移住は残留するよりも「経済的に合理的」とされ、移住によって援助国は1人あたり長期的な援助コスト約2.3万ドル(約400万円)を節約できると計算されている。

さらに特徴的なのは、「アメリカ政府の資金に依存しない」点である。現在論争を呼んでいるGHFの活動とは異なり、ガザ南部で食料を配布するために米国の民間軍事請負業者に頼る必要はなく、「寄付金に依存しない」仕組みを設計している。電動車工場やデータセンター、海辺リゾート、高層住宅など大型開発プロジェクトに公共および民間資金を投資することで、10年後には投資額1000億ドル(約1兆7600億円)に対し約4倍のリターンが見込まれ、さらに「自給自足」の長期的な現金収入源として機能する計画だ。

「新ガザ」の建設ブループリント

この38ページに及ぶ機密文書は、単なる構想ではなく、非常に詳細に練られており、ガバナンス、財務、建設の一連の計画が既に具体化している。「新しい国家をつくる」かのような規模感だ。

ガバナンス面では、イスラエルが「米・イスラエル二国間協定」に基づき、ガザ地区の行政権をアメリカ主導の「GREAT Trust」に委譲する方針が示されている。国際法上の「既存国境原則」と「オスロ合意」を法的基盤とし、占領との非難を回避する仕組みが組み込まれている。初期段階ではイスラエルが最高の安全権を保持するが、現地の治安維持は「第三国国民」(TCN)や欧米の民間警備会社が担当し、将来的には地元警察に段階的に引き継がれる見通しだ。文書は、「これは戦後復興のための暫定措置であり、必ずしもパレスチナ国家建設と同一ではない」と明記している。

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