台湾政治 分析:陳時中が卓栄泰の発言を横取り、柯建銘が賴清徳に反旗

行政院政務委員・陳時中が民進党団総召・柯建銘を支持し、野党が立法院で混乱を引き起こしていると激しく非難。(撮影:柯承惠)
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民進党 立法院党団総召の柯建銘が「二重の罷免」を仕掛けると発言したことに対し、わずか4名の民進党立法委員しか支持を表明せず、同じく歯科医出身・政務委員である陳時中が援護。野党が立法院で混乱を起こしていると激しく批判し、さらに2月1日から大規模な罷免運動を展開すると呼びかけた。

政務委員である陳時中の発言は党と政府の立場を区別せず、行政の中立原則を無視している。蔡英文政権時代の転型正義推進委員会、国家通信伝播委員会(NCC)、中央選挙委員会から、今日の賴清徳政権に至るまで、独立機関の非独立性という悪習は改められていない。

政務委員が号令を発し、院長の調べを吹く

偶然ではありませんが、陳時中の越権行為はこれだけではない。彼は卓栄泰行政院長の上司となってしまったかのようだ。『選挙罷免法』、『憲法訴訟法』、『財政収支劃分法』の国会通過に反対するため、陳時中は卓栄泰を代表し「行政院長は法案に副署しない」と発言。この発言は明らかに越権であり、さらに野党立法委員の罷免を呼びかけ、国民の税金を使って騒動を起こそうとするのは、政務委員としての分際を超えている。

過去の陳時中の「党政不分」の行為は、すでに常習犯だ。コロナ対策指揮官として、防疫政策から政治的思考を切り離せなかった。当初、上海復星からのBNTワクチン購入を頑なに拒否し「鴻海/台積電モデル」を通じて通関し、密かに「復必泰」のラベルを剥がし、後に政府は密かにBNTを自主購入した。その後、高端ワクチンのために一路青信号を出し、高端接種が「台湾チームの忠誠心」となり、高端の株価が異常に高騰。

さらに陳時中は各医学センターの機嫌を取ろうとし、核酸検査(PCR)の価格が高止まりし、検査能力が国際社会から大きく立ち遅れる結果となった。これら「政治が防疫に優先」する劣悪な行為が多数見られきた。

民進黨團總召柯建銘(右)封殺總統賴清德(左)提名的大法官人選,又力主發動大罷免潮。(顏麟宇攝)
民進党団総召の柯建銘(右)は賴清徳総統(左)が指名した大法官候補を封殺し、さらに大規模な罷免運動の実施を強く主張している。(撮影:顏麟宇)

陳時中は「選挙マシーン」として喜んで働いている。感染症が拡大する中、基隆市長の林右昌に対して「特別扱い」で自宅隔離を3日間のみとし、一方で一般市民は10日間の隔離を「完全実施」しなければならず、市民から首長特権との批判を受けた。選挙出馬当初、陳時中は「いつ辞職して立候補するか」で人々を焦らし続け、これが繰り返される長引く悪劇となり行政の中立原則を完全に無視。台北市長選への立候補を表明した後も、衛生福利部内で『戦疫堡塁』の新刊発表会を開催し、まるで個人の選挙活動の加持会のように政府の公的資源を大胆に占有し、公金を使い果たした。 (関連記事: メキシコ 大統領、トランプの奇説に反撃:「アメリカこそ『メキシコ・アメリカ』に改名すべき!」 関連記事をもっと読む

行政は中立ではなく、党の意思が最優先

過去の蔡英文政権では、行政官員の非中立、独立機関の非独立がすでに常態となっていた。転型正義推進委員会は「東廠(秘密警察)」と化し、当時の張天欽委員長は「間接的な暗示が最も殺傷力がある」と豪語。民進党はメディアからの党政軍の撤退を呼びかける一方で、府院上層部は「非常に言うことを聞く」NCCの陳耀祥主任委員を配置、中天テレビを52チャンネルから追放しながら、『鏡電視』ニュースチャンネルの申請を承認。

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