賴清德総統は2024年5月20日の就任後、初めて今日(7日)、法務部調査局第61期修了式に参加。法務部調査局は台湾の国家安全保障と国外勢力の浸透防止の主力部隊である。中国軍機が台湾海峡の中間線を頻繁に越境し、台湾周辺で軍事演習を行う中、賴清德の調査局新人研修修了式での発言に注目が集まった。予想通り、賴清德は蔡英文前総統の調査局修了式での保守的な発言とは異なり、出席した調査局職員に対し「我々は中国からの浸透、統一戦線、併合に積極的に対抗しなければならない」と明言した。これが調査局の国家安全保障案件の取り扱いにどのような影響を与えるのか注目されている。
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賴清德は式辞で、まず調査班第61期の103名の研修生の修了を祝福し、また各保護者に対しても、子どもたちが順調に訓練を終え、これから社会に出て国家・社会・人民のために奉仕することを祝福した。また国家が103名の国家安全保障の新戦力を得たことは、国家社会にとって喜ばしいことだとし、新戦力に期待と激励の言葉を贈った。
賴清德は冒頭から最重要な国家安全保障業務について期待を述べ、「我々はこの仕事が一般の仕事とは異なることを深く認識しなければならない。この仕事は国家安全保障に関わるものであり、我々は中国からの浸透、統一戦線、併合に積極的に対抗しなければならない。この仕事は社会の安定にも関わっており、関係部門と協力して犯罪と戦い、社会の安定を保たなければならない」と述べた。
賴清德は続けて、「我々のもう一つの使命は人民を守ることだ。私は全ての研修生が、自分たちの仕事の重要性を重視し、また我々が担う使命を深く理解することを強く望んでいる。我々の仕事がうまくいけば、国家の安全、社会の安定、人民の安心が得られる」と語った。
調査局は国家安全保障を維持し、国外勢力の浸透と組織の発展を阻止する重要部隊であるため、歴代総統は調査局新人研修の修了式を非常に重視してきた。前総統の蔡英文の場合、8年の在任中、調査局調査班第53期から第60期までの修了式に毎回出席した。しかし修了式での蔡英文の講話は比較的保守的で、「効果的な犯罪撲滅、国家安全保障の防衛」を主軸とし、「中国」や「中共」という言葉は少なく、中国からの浸透や併合に積極的に対抗するといった強い表現を直接的に用いることは稀だった。
風傳媒の調査によると、蔡英文前総統の調査局修了式での講話は、初回の第53期修了式での「反浸透、反スパイ活動を軽視してはならない」から、最後の第60期修了式での「国家安全保障の維持、重大犯罪の防止」まで、国家安全保障業務について、第55期修了式で中国本土の人民の台湾との交流活動が「情報収集や人員の吸収、組織の発展のための隠れ蓑として利用される」と言及し、2018年に調査局が52件174人の事案を摘発したことを指摘した。また第57期修了式では、蔡英文はサイバーセキュリティが国家安全保障である時代において、調査局が初めて中共による台湾人のネット軍事訓練受け入れ事案を摘発したことを強調した。
編集:佐野華美 (関連記事: 緑島刑務所で脱獄事件! 受刑者、刑務所内で再び逮捕 | 関連記事をもっと読む )
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