《強制・虐待》桃園少年観察所の虐待事件の実態とは? 被害者が勇気を出して告発

桃園少年観察所で虐待事件が発覚。被害者は同室の少年から長期間にわたり虐待を受けた後、勇気を出して告発した。(イメージ写真、本件とは無関係/pexels フリー画像より)
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桃園少年観察所(現・敦品学校に改称)で、衝撃的な虐待事件が発覚した。18歳男性が2名の同室者と共謀し、閉鎖的な居室環境を利用して、別の同室少年に長期にわたり残虐な虐待を加えていた。

加害者らは脅迫と屈辱的な行為で被害者を精神的・肉体的に追い詰め、この事件は被害少年が面会に訪れた母親に涙ながらに打ち明けたことで発覚し、司法手続きに移行。桃園地方裁判所は本件の審理を終え、被告の陳に加重強制性交罪で懲役7年8か月を言い渡し、他の2名の少年は少年裁判所で別途審理されることとなった。

加害者の残虐な手口

この事件は2020年5月に発生。行為は人としての倫理の限界を超えていた。

判決文によると、彼らは被害少年に食器用洗剤・洗顔料・歯磨き粉・尿を混ぜた残飯を無理やり食べさせ、さらにスプーンで粥を丸々1鍋強制的に飲み込ませた。

また陳は尿の入ったペットボトルで被害者を脅し、10秒以内に飲み干すよう強要。被害少年はさらなる制裁を恐れ、従わざるを得なかった。

陳はさらに被害者にサクサク菓子を棒状に丸めて下半身に挿入するよう命じ、他の同室者に歯ブラシで被害者への性的暴行を強要するなど、被害少年に深刻な肉体的苦痛と消えることのない心の傷を負わせた。

少年はどのように虐待の真相を告発したのか

長期にわたる非人道的な拷問の末、被害少年は母親の面会時に涙ながらに事実を打ち明けた。少年観察所でこのような恐ろしい経験をしていたとは夢にも思わなかった母親は、衝撃を受けつつも直ちに行動を起こし、桃園地方検察署に告発した。

この行動により、施設内で隠蔽されていた事件が社会に明るみとなり、少年観察所の内部管理体制に疑問が投げかけられることとなった。

法廷での加害者への裁き

裁判で、加害者の弁明は冷淡で荒唐無稽なものだった。他の少年に歯ブラシを手渡したことは認めたものの、加重強制性交の容疑については全面的に否認し、「母親へのカード書きに忙しかった」と主張。

しかし裁判官は審理の結果、加害者の行為は極めて悪質で、被害者の人格の尊厳と精神的健康に計り知れない打撃を与えたと認定。裁判所は共同暴行および強制性交罪により、懲役7年8か月を言い渡した。また、2名の共犯少年は未成年のため、少年裁判所で別途審理されることとなった。

この事件は加害者の非情さだけでなく、被害者が負った長期的なトラウマをも浮き彫りにした。被害少年は肉体的・精神的に言い表せないほどの傷を負い、これらのトラウマは生涯にわたって影響を及ぼす可能性がある。この災難から立ち直るためには、心理専門家によるカウンセリングだけでなく、家族や社会からの支援も不可欠である。

同時に、この事件は関係機関が被収容者の安全をいかに確保し、同様の悲劇の再発を防ぐかという課題を、社会全体に突きつけている。

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