民衆党の前主席・柯文哲が政治献金事件・汚職収賄・公益侵害などの罪で台北地検に起訴された件で、民衆党団が発表した世論調査によると、35.2%が検察官の起訴手続きが公平公正ではないと考え、42.8%が検察官が捜査非公開の原則を遵守していないと考え、41.5%が起訴の証拠が不十分だと考えているという。民衆党は11日、支持者に司法正義を守るデモ行進を呼びかけた。これに対し呂秀蓮前副総統は、与野党各党の権力者たちは無形のうちに権力の味を享受しており、口では民主主義を叫びながら、実際には反民主的な行為をし、司法の不正義を批判しながら、実際には司法正義を歪めていると指摘した。
呂秀蓮は番組『下班瀚你聊』のインタビューで、捜査過程で検察は捜査非公開の原則を守るべきだが、柯文哲の事件では台北地検が特定のメディアにのみ情報を漏洩していたと指摘。司法への国民の不信感は5割を超えているはずで、法務部は検察とメディアの関係を処理すべきだとした。事件の捜査過程全体がメディアによって進められており、現在の司法の崩壊に心を痛めているという。
呂秀蓮は、台湾社会はすでに柯文哲について語るメディアリソースを使い果たしており、もう語るべきではないとし、むしろ台湾社会がなぜ柯文哲を生み出したのかを反省すべきだと主張。メディアは10年かけて神格化し、今や神の座から転落したとして、「台湾の政治家はまだ足りないのか、我々はさらに政治家を持ち上げ、作り出す必要があるのか」と疑問を投げかけた。
また呂秀蓮は、台北地検の起訴状に記載された柯文哲の「傅冬菊(別名傅冬梅)計画」に言及。傅冬梅の父親・傅作義は国共内戦期間中、蒋介石から深い信頼を得ていた華北地区最高司令官であり、当時共産党は傅冬梅を通じて国民党軍の軍事情報を密かに伝達し、学校で共産党の良さを宣伝していたと説明した。呂秀蓮は、柯文哲が清廉さと財閥との距離を保つイメージで政治に憧れを持つ若者を引き付けながら、実際には財閥と千糸万縷の関係があると指摘し、「小草(若者)は歴史を知り、このような選択が正しいのかよく考えるべきだ」と述べた。
呂秀蓮は補足として、現状から見て柯文哲には確実に違法行為があったとし、民衆党が支持者を動員して司法正義を要求することについて、捜査手続きにおける司法正義の追求は必要だが、裁判中の人物のために司法正義を掲げて釈放を要求することには別の動機があり、「司法正義」とは柯文哲を釈放することだと誤解を招いており、これもまた司法を踏みにじることだと批判した。与野党各党の権力者たちは無形のうちに権力の味を享受しており、口では民主主義を叫びながら実際には反民主的な行為をし、司法の不正義を批判しながら実際には司法正義を歪めている、これらの事は相互に関連しており、理性的に考える必要があると述べた。
編集:佐野華美
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