中国無人機が台湾東方沖を旋回飛行 空母「遼寧」は監視圏外に?日本も警戒強化へ

2025-06-03 14:43
中国の空母「遼寧」は5月末に台湾南東海域に出現したが、その後の動向は不明である。日本の防衛省の監視圏から外れた可能性もあり、今後の動向が注目されている。(人民海軍公式Weiboより)

台湾東部海域において、中国人民解放軍によるとみられる異常な軍事行動が確認されている。日本の防衛省統合幕僚監部は、6月2日(月)に中国の無人機とみられる航空機が東シナ海から太平洋へ進入し、台湾東方沖の空域を旋回飛行した後、同じ経路を通って東シナ海方面へ引き返したと発表した。これを受けて、航空自衛隊西部航空方面隊は戦闘機を緊急発進させた。

一方、先週には中国の空母「遼寧」が台湾南東海域に出現したものの、その後の動向は不明であり、日本の防衛省の監視圏から外れた可能性もある。引き続き、関連動向に注意が必要とされている。

防衛省統合幕僚監部によると、6月2日午前、中国のものとみられる無人機が東シナ海から出現し、与那国島と台湾の間の空域を通過して太平洋に進入。その後、台湾東方沖の空域を旋回し、進入経路を通って東シナ海に戻ったという。

日本防衛省統合幕僚監部通報、一架疑似中共無人機6月2日從東海進入太平洋後,在台灣東部外海上空盤旋繞飛,隨後循原路徑返航。(日本防衛省官網)
防衛省統合幕僚監部によると、6月2日、中国のものとみられる無人機が東シナ海から太平洋へ進入し、台湾東方沖の空域を旋回飛行した後、同じ経路を通って引き返したという。(防衛省公式サイトより)

また、統合幕僚監部はすでに5月25日以降、中国海軍の空母「遼寧」艦隊が沖縄周辺の東シナ海および太平洋海域において2日連続で演習を実施し、艦載機の発着艦が100回を超えたことを明らかにしている。27日には艦隊が台湾東方の西太平洋海域に移動した。

6月2日付の最新の発表によれば、5月25日から29日にかけて「遼寧」を含む複数の中国海軍艦艇が太平洋上で活動し、合計約260回にわたる艦載機の発着艦が確認された。同行艦艇には、055型ミサイル駆逐艦「南昌」、052D型ミサイル駆逐艦「チチハル」および「唐山」、さらに901型総合補給艦が含まれており、同期間中に大規模な艦載機運用が行われたとみられる。

さらに、防衛省は当該艦隊が5月30日にも太平洋上を南下したことを確認している。

中國海軍南昌艦。(中國軍網)
中国海軍の駆逐艦「南昌」。(中国軍網より)

これを受けて、海上自衛隊は第12護衛隊所属の護衛艦「うみぎり」を派遣し、警戒監視および情報収集活動を実施。航空自衛隊も艦載戦闘機の動向に対応すべく、戦闘機を緊急発進させた。

なお、台湾国防部は5月28日、「遼寧」が台湾南東海域に存在していたことを明らかにし、中国側が演習などの軍事行動を起こす可能性を「最悪を想定して」注視していると述べており、今後の動向が注目されている。

台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp