台湾映画上映会2025、2作品でトークイベント開催へ
台北駐日経済文化代表処台湾文化センターが主催する映画イベント「台湾映画上映会2025」の第3回・第4回上映会において、注目作品の上映とトークイベントが開催されることが発表された。6月14日(土)は原住民の家族を描いた『猟師兄弟』、7月5日(土)は台湾ニューシネマの巨匠ワン・トン監督による自伝的作品『赤い柿 デジタル・リマスター版』が、それぞれ東京の大学キャンパスで上映される。
第3回上映作品『猟師兄弟』(原題:獵人兄弟)は、『靈山』で知られる蘇弘恩(スー・ホンエン)監督による最新作。現代台湾の原住民族タロコ族の家族を描いた本作には、2011年の話題作『セデック・バレ』に出演したシュー・イーファン、マー・ジーシアン、リン・チンタイらが再集結する。上映後にはスー監督が登壇し、作品に込めた思いや撮影の背景を語る。
当日は、早稲田大学名誉教授・千野拓政氏と、愛知県立大学の張文菁准教授も登壇し、原住民族の歴史と表象をテーマにした解説を行う予定。
●上映日:2025年6月14日(土)13:00開始(12:30開場)
●会場:早稲田大学 小野記念講堂
●申込開始:6月4日(水)12:00~(Peatixにて、先着順・無料)
一方、第4回は台湾ニューシネマの巨匠・ワン・トン(王童)監督による自伝的作品『赤い柿 デジタル・リマスター版』が上映される。台湾近代史を3部作として描いた代表作の一つであり、祖母を中心に大陸から台湾に移住した家族の戦後を描く、詩情豊かな名作だ。
上映後には、長年台湾映画を追い続けてきた映画評論家・村山匡一郎氏が登壇し、ワン・トン監督の作品世界と台湾映画史における位置づけについて語る。今回の『猟師兄弟』上映後のトークイベントには、新たに東京国際映画祭「アジアの未来」部門のシニア・プログラマーであり、日本映画大学教授の石坂健治氏がゲストとして登壇することが決定した。
石坂氏はアジア映画史および日本ドキュメンタリー映画史、芸術行政を専門とし、早稲田大学大学院文学研究科にて映画学を専攻、修士課程を修了。これまで国際交流基金にてアジア映画に関する映画祭・上映会を通算約70件プロデュースしてきた。現在は東京国際映画祭でプログラマーとして活躍するほか、日本映画大学映画学部教授・学部長、2024年からは米ミシガン大学の招聘教授も務めている。
台湾映画との関わりも深く、台湾文化センターおよび日本映画大学による『台湾映画 ポストニューシネマ時代の監督ガイド』(2023)の監修を務めたほか、『ドキュメンタリーの海へ─記録映画作家・土本典昭との対話』(2008)、『アジア映画の森 新世紀の映画地図』(2012)、『躍動する東南アジア映画~多文化・越境・連帯〜』(2019)など、アジア映画をテーマとする著作も多数。2008年以降は香港のアジア・フィルム・アワード審査員も務めている。
●上映日:2025年7月5日(土)15:00開始(14:30開場)
●会場:東京大学 駒場キャンパス KOMCEE East K011
●申込開始:6月25日(水)12:00~(Peatixにて、先着順・無料)
編集:柄澤南 (関連記事: 台湾映画『余燼』、慶應義塾大学で特別上映──記憶と加害の問いをめぐる白熱討論 | 関連記事をもっと読む )
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