台湾・金馬澎分署勤指センターの主任である莊宗輝氏が最近、「国家安全法」など違反の疑いで裁判所により拘留・面会禁止され、職務も異動となり、さらに二重の過失記録と免職処分を受けた。事件はまだ詳細な調査を待っているものの、中国による台湾への浸透工作は以前から指摘されており、特に我が国の治安システムの人物からは、中国の統一戦線部が台湾の官僚システムに浸透していることはすでに固定化された手法とされている。
中国の慣用手法「金銭・色欲を用いた誘惑」
「三立新聞網」によれば、匿名の元政府高官が、中国側の人物は「原稿料」、「現金」、「旅行接待」、「性接待」などを餌として、台湾の基層官員から有益な情報を集めようとすることを明らかにした。
彼はかつて仲介者を通じて、双方が通信ソフトを使って会話を始め、その後、当時は面識のなかった中国の研究者と海外で会った際に行程まで掌握されていたことを振り返っていた。
その際、中国側の高官は肩書のない名刺を渡し、「話が進むにつれて、彼は私に『原稿料』を渡そうとし、2〜3cm厚の封筒を差し出してきた」とし、その中には約新台湾ドル40万元から場合によっては100万元まで含まれていることを指摘し、恐れから受け取れなかった。
彼によると、賄賂を拒否すれば、対応はすぐに途絶えるといい、「彼らの常套手段は原稿料を支払うなどと称して接近し、金銭の提供や、現地での接待、性接待をするかであり、拒否すれば引き下がる」という。元官員は、当時は「国家安全法」が制定されていなかったが、このような行為は本質的にリスクであると強調した。
「宗教交流」を名目に地域の信仰コミュニティに浸透を図る
宗教分野での浸透戦略について、国安システムの官員は、中国の統一戦線部は中間者を使って橋渡しをするだけでなく、しばしば宗教活動を政治目的で包装していることを示警した。主な手法は以下の通りである:
台湾信者を中国へと招待
中国は特定の宮廟や宗教組織を通じて、里長や地方団体を中国に招いて参拝させ、実際には統一理念を広め、選挙期間中は特定候補の支持を指導することがある。
「祖廟」神祇の台湾巡安
台湾商人により中国本土のいわゆる「祖廟の神像」が台湾に持ち込まれ、各地の宮廟と「姉妹廟提携」を結ぶ動きが進んでいる。宗教的なつながりを利用して、政治的な共感や認同を得ようとする狙いがあるとみられる。しかし、これらの神像の多くは文化大革命後に再製されたものであり、すでに本来の信仰とのつながりは断たれている。
ビデオ通話で祭典を共に開催
両岸祭祀活動を通じて「同根同源」を強調し、実際には不可分な政治的メッセージを伝えており、実質的な宗教教義はない。
学術会議を偽装した宗教議題
中国の地方政府と台湾関連智庫が宗教講演会を開催し、台湾の宮廟を招いて「宗教同源」の観点を売り込み、文化と政治の境界を混同しようとしている。 (関連記事: 【台湾】民進党党員2人が中国スパイ関与で除名 対中浸透工作に厳正対応 | 関連記事をもっと読む )
台湾に中国分廟を設置
「官印」や「分霊証書」を授与する形で、台湾の基層信仰網にさらに介入し、「宗教促融」を推進しようとしているが、その背後には統一戦線戦略が延びている。