台海解読》トランプが「台湾売り第一弾」発砲?台大教授が断言「統一」は中国台湾両岸指す、台湾の運命審判が間もなく降臨か?

アメリカ大統領トランプ氏が「統一」と口にし、台湾で熱い議論を呼んでいる。トランプ氏と習近平氏が会う「トランプ・習会談」は台湾の運命に影響を与える可能性がある。(AP通信)

米トランプ大統領は、中国が市場を開放すれば、「統一と平和」に寄与するだろうと発言した。「統一」が台湾と中国大陸のことを指しているのかどうか、多くの憶測が飛び交っている。もしもトランプがはっきりと両岸の統一を支持していると表明すれば、台湾に大きな影響を与えることになる。台湾大学政治学部の左正東教授は『風伝媒』に対し、トランプの統一発言は両岸のことに違いないと分析した。台湾はトランプにとって常に取り引き可能なカードである、とみなされている。

トランプの「統一」は両岸統一を指すのか?

トランプは先日ホワイトハウスでの記者会見で、「中国市場を全面的に開放することに同意した。それは中国にとっても非常に良いことであり、我々にとっても極めて良いことだと思う。そして、統一と平和にとって非常に有利であると思う」と述べた。この発言を受け、米国在台協会(AIT)は「米国の対台湾政策に変更はない」と回答し、台湾総統府もトランプの発言は台湾とは関連がないと強調している。

ただし「統一」という言葉は学術的には「分裂国家の統一」を指すため、貿易交渉では通常使用されない。トランプは非常に賢い人物であり、口を滑らせる可能性は低く、この発言は中国大陸へのシグナルを示している可能性があり、トランプは「北京が何を求めているか知っている」と伝えようとしていると、一部の見方がある。

これについて左正東は『風伝媒』との対談で指摘した。トランプにとって台湾は常に取引可能なものであり、トランプの「統一」という表現は間違いなく両岸関係を指している。トランプが「平和」とも言及していることからして、他の事柄を指しているわけではない。「これは絶対に両岸関係についての話であり、台湾はトランプが取引できるカードで、標的でもある」

20240521-台大政治系教授左正東出席「賴蕭新政府上台後的兩岸関係」研討會。(蔡親傑攝)
台湾大学政治学部教授の左正東は、トランプの「統一」は両岸を指すと考えている。(資料写真、蔡親傑撮)

左正東は指摘する。最終的にはアメリカと中国との交渉は必ず両岸関係に関わることになる。中国が両岸問題でアメリカの一定の支持を得たいとしたら、貿易交渉を経ることが必要な道である。「貿易におけるアメリカへの譲歩は必要な過程」とされる。トランプのこの行動は実際には誘い水を流しているとみなされ、中国にさらなる譲歩を促している可能性がある。ただし、台湾の政策を米中の大規模な取引交渉に入れることになっても、トランプには全く問題ない (関連記事: 「台湾を本気で叩けない」トランプ政権 専門家が語る“米台共生”の関係と関税10〜15%の現実味 関連記事をもっと読む

『エコノミスト』の予言が現実に?トランプは台湾を見放すのか?

最新号の『エコノミスト』の表紙には、中華民国の国旗が圧力機にかけられ「処刑」されそうになっている絵が描かれており、旗の頂部はすでに曲がっている。そして、英語のキャプションには「台湾の試練―あなたが想像するより早くやってくる」と書かれている。この号の表紙に関連するストーリーは、「台湾をめぐる大国の危機が近づいている」という内容で、トランプが中国と核戦争のリスクを冒すよりも、台湾を放棄するか、実質的に台湾を放棄するような協定を習近平と結ぶ可能性があると述べている。

《經濟學人》封面故事:這場台灣考驗,比你想像的更近。(美聯社)
《エコノミスト》表紙ストーリー:「台湾の試練」が想像より早くやってくる。(AP提供)