人物》中国文革時代、批判闘争受けた台湾出身将軍! 孫立方氏の証言が家族の運命を変えた

2025-05-13 11:08
国防部・の孫立方(写真)は政戦官科から国防部長官の事務所主任に就任した初めての例であり、その特別な家庭背景もこの人事異動に際して議論を呼んでいる。(張曜麟撮影)
国防部・の孫立方(写真)は政戦官科から国防部長官の事務所主任に就任した初めての例であり、その特別な家庭背景もこの人事異動に際して議論を呼んでいる。(張曜麟撮影)

近年、両岸関係が緊張する中、中国出身・国防部軍事報道官の孫立芳少将が、2025年5月1日に国防部政務办公室主任に就任し中将に昇進することに。知られていないことだが、孫立芳の母である張至雲(本名朱蓮華)は、深い芸術的な造詣と強い信念を持つ京劇の名伶であり、その人生は中国と台湾を跨いでおり、劇的で時代の刻印がある。孫立芳は政戦官科が国防部長办公室主任「大総管」を務めるという先例を作り、その特異な家庭背景が今回の人事異動により議論を巻き起こしている。

孫立芳の母である張至雲は、梅蘭芳の弟子、言慧珠に師事し、青衣の行当を専攻し、若くして中国の京劇界で頭角を現し、名声を得た。しかし、文化大革命の期間中、言慧珠は紅衛兵の批判に耐えきれず自殺し、張至雲も「国民党特務と共謀した」として投獄され、農村に下放され改革勞働を受けた。1978年、文革が終わると彼女は劇団に戻り、名誉を回復し、副教授の地位に昇進し、当時の高給階級の一員となった。

1982年7月、張至雲は親戚を訪問する名目で、孫立芳と娘を連れて横浜に行った。元々中共は、彼女が堅固に中華民国を支持する義兄王慶仁を大陸に帰らせることを望んでいたが、彼女は自由を選び、中国大陸災胞救済総会の協力を得て、同年10月28日に台湾に到着し、「自由を求める決心で三民主義による中国統一の大業に参加する」と公開声明をした。

20250508-国防部発言人孫立芳中将の母親張至雲(右二)は知名京劇演員、政府曾尤其替她举办了盛大的「投奔自由」记者会。(行政院新聞局老照片)
孫立芳の母親張至雲(右二)は知名京劇演員で、梅蘭芳の弟子に学ぶ。政府は盛大な「投奔自由」記者会見を特別に開催した。(資料写真、行政院新聞局より)

中国文革孫家は黒五類 孫立芳は母親の自殺を悲鳴で止めた

当時まだ14歳だった孫立芳は、母親と共に台湾に渡った。当時の過程はどうだったのか。そして中国で成長中の彼はどういった状況に置かれていたのか。孫立芳の近しい友人は、当時孫立芳はわずか3ヶ月足らずしか日本に滞在せず、母親と一緒に叔母を訪ねに行ったと語った。その時点で王慶仁は日本で反共華僑の領袖だった。中国は張至雲が王慶仁を「祖国」に呼び戻すことを望んでいたが、日本に行った後、張至雲は中国に戻らないことを決心した。日本に留まるか台湾に渡るかの選択をした結果、中華救助総会に連絡を取り協力のもと台湾に到着した。

実のところ、孫家は文革時代「黒五類」とされ、反革命分子にされた。孫立芳が生まれた時期は、孫家が激しく批判されていた時期だった。孫の友人によると、孫の両親は投獄されており、張至雲は一度自殺を考えたが、縛りことをする直前、母乳を飲んでいた孫立芳の泣き声を聞き、自殺を断念した。以来、彼女は迫害に屈せず、生きることを選んだ。

この友人が語るには、当時孫立芳が母親と一緒に国外に出た理由には、父親が事前に母親と相談し、中国の現状では将来はないと考えたからである。若い孫立芳は外の世界に好奇心と新鮮味を抱いていたが、今回の旅をきっかけに中国に戻ることはなかった。 (関連記事: <点・教育>>風雨暗き中、海峡両岸の現代知識人よ!舞え!舞え! 関連記事をもっと読む

文化大革命(文革)の紅衛兵(美聯社)
孫家は文革時代に黒五類とされ激しい批判を受けた。写真は文化大革命中の紅衛兵(美聯社)

義勇軍進行曲を歌える、台湾に来た14歳の孫立芳が軍人生に

孫立芳が台湾に訪れたのは14歳のときだった。彼が中国で小学校を5年間通い、「義勇軍進行曲」まで歌えたことは興味深い。孫の友人はこう振り返る。孫が台湾に来た後、初めに永和中学に1ヶ月通い、その後海山中学に転校した。永和中学では先生が特別に注音符号と繁体字を教えてくれた。その当時は『少年十五二十時』という軍事教育のテレビドラマが人気であり、中正予校に入れば授業料が無料でお小遣いももらえるため、彼は予校の試験を受けた。

最新ニュース
蔡英文氏、リトアニアで演説『小国でも脅しには屈しない』 欧州に民主連携を訴え
蔡英文氏がリトアニア訪問 フランス人観光客が「台湾の総統だ!」と感動の声と記念撮影
トランプ氏、米中関係“全面リセット”宣言:「中国を傷つける意図はない!」関税撤廃を交渉前提条件に。 専門家評価「習近平氏、先ずは勝利」
論評》米中「関税90日休戦」の先にあるのは平和か、それとも次なる大戦か
台湾・頼清徳総統、日本メディアに初めて語る「非レッド経済圏」構想 日台EPAで供給網強化へ
舞台裏》民進党驚き!台中で国民党立法委員の罷免に超過 台中市長・盧氏の地盤を動揺させたのはこの「人物」
「米国はもはや脆弱な超大国」ドイツ前駐米大使が警告 中国との対立で国際秩序に不安定要因も
NVIDIA社長・黄仁勲の来台時間が明らかに! 最新スケジュールを整理
「ググる」はもう古い?検索帝国・Googleに前例なき危機 「ググる」時代からAI時代へ移行か
米中「関税戦争」一時休戦 90日間の交渉へ 中国商務省「対話と協力の基盤が築かれた」
米中、関税115%引き下げで合意 90日間停止で共同声明発表 「関税休戦」で株価急騰
<点・教育>>風雨暗き中、海峡両岸の現代知識人よ!舞え!舞え!
張鈞凱コラム:印パ交火、台湾海峡の予演か?
【新ニュース】郭智輝氏の失言全記録! 実業家気質が抜けない大臣は地位を守れるか?
人物》台湾の為替戦争!死神の手から逃れた中央銀行総裁 楊金龍の生存戦略は彭淮南「柳樹理論」と異なる
自撮り写真でがん生存率を予測可能? AIツールFaceAgeが生物学的年齢を推定、正確性は臨床医を上回る
米中が貿易協議で合意 高関税の今後とフェンタニル問題に注目 共同声明は後日発表へ
独自》台湾海軍・海巡で中国身分証保有 陸委会が発覚・処分
「最も報われない世代」X世代の苦悩 『エコノミスト』資産も希望も失った中年の現実とは
逢甲夜市でも台南安平でもない!台湾最強の観光地に注目:一千万人以上の観光客。手頃な価格で楽しめる地元グルメ。
日本留学で映画の夢を追い続ける 監督・蘇鈺淳「奔走」し自分らしさの道を探る
台湾ホテル界の「アカデミー賞」 第7回「台湾最美飯店」投票開始:宿泊券総額500万円が当たるチャンス
化学修士から日本語教師へ転身した、Johny先生 日本での生活の中から教育の道を振り返る
茅乃舎、母の日限定ギフトを販売 東京ミッドタウン店で特別装飾と試食イベントも開催中
南アジア、核戦争の危機迫る!インド空爆で31人死亡 パキスタン首相「血には血を」と報復示唆
共に米国に対抗!習近平とプーチンが3.5時間の首脳会談:供給連鎖の安定と台湾に対する立場を強調
呉典蓉コラム:《エコノミスト》大規模な対外宣伝活動、なぜ民進党を不快にさせるのか
舞台裏》国民党主席争いにダークホース登場か!盧秀燕は決断できず、朱立倫には人気なし 党内では彼に期待が集まる
2024年の査証(ビザ)発給件数が急増 中国・フィリピン・ベトナムが全体の9割近く占める
トランプ氏「半導体は台湾に奪われた」再び発言、関税50〜100%導入を示唆
台湾で祝日4日増加、労働節も全国休暇に 年休最大10日へ
独占インタビュー》「日本防衛は台湾防衛そのもの」――元陸自将軍が語る、中国抑止のカギと“ワンシアター”構想の全貌
連邦準備制度理事会は現状維持》パウエル議長「利下げを急がない」 トランプ氏の圧力にも影響されないと強調
『フォーリン・ポリシー』誌が見るペンタゴンの台湾海峡新戦略:太平洋配置は「島伝い戦術」をより重視、一方でトランプは同盟国を遠ざける
トランプのアジア同盟国、残るは台湾だけ?親米の風向きが変わった日本、頼清徳政権は「安倍カード」に固執か
新教皇レオ14世誕生 米出身 サンピエトロ広場に10万人集結、世界が注目
舞台裏》台湾スパイ事件で米国激怒 民進党政権に信頼危機、政権内部も対立激化
トランプ氏、英と貿易協定 相互関税の先陣、次は中国
金沢市長が台湾・台中訪問、建築と文化の縁深める 両市の友好93年
舞台裏》アメリカの意向に頼清徳が緊急指令! 民進党が国家安全法改正を急ぐ中、複数省庁「慎重な検討を」と懸念
白煙か黒煙?“ピンクの煙”で声を上げる女性達! フランシスコも解決できなかった難題:カトリック千年の伝統に対し、聖職者の男女平等を求める
米国、半導体関税発表へ 台湾・行政院『意見書を提出済み』
独身を恥じず活用:日本「独身経済」は百兆円突破。 自由を愛しぼっち飯を楽しむが、歳を取った際誰が側にいるのか?
舞台裏》局面に変化!花蓮の罷免、司法案件に悩む傅崐萁氏は「彼」に支援を求める?
舞台裏》罷免の偽造署名問題で検察が本格捜査へ! 2つの捜査チーム、国民党本部捜索で競合
『名探偵コナン 隻眼の残像』公開記念、スタンプラリーやカフェなど全国でイベント続々登場
台湾野党主席、頼清徳氏を「ヒトラー」と批判 ドイツ在台協会が異例の声明で非難
ガンダム最新作『GQuuuuuuX -Beginning-』特別企画展 アニメ東京ステーションで開催へ
台湾問題めぐる米中協議の噂、当事者不在の交渉報道も 米副大統領「対話行われていない」と否定
習近平の軍粛清が台湾侵攻能力を弱体化?米専門家が警鐘「過剰反応避けよ」