台中市政府は国際交流を積極的に推進しており、7日、盧秀燕市長は日本・石川県金沢市の村山卓市長一行を迎え、都市外交および文化協力に関する対話を行った。盧市長は、「村山市長とは初対面ながら意気投合し、両市は文化、建築、水利といった分野で深い縁がある。台中の新たな文化ランドマーク『緑美図』と金沢市の21世紀美術館は、いずれも建築家・妹島和世氏の設計によるもので、両市は建築美学を共有している。今後、市政府は文化芸術、観光、水資源管理といった分野での協力を継続し、国際対話の幅と深みを広げていきたい」と語った。
盧市長はまた、台中と金沢市の深い関係を象徴するのが新社区にある「白冷圳」だと説明。この水利施設は金沢出身の技師・磯田謙雄氏が設計・監督し、1932年に竣工。新社、東勢、石岡などの地域に長年にわたり灌漑用水を供給し、台中の農業発展に大きく貢献してきた。今朝の台中では恵みの雨が降り、被害は出なかったことからも、水利インフラの整備が都市の安全と持続可能性にいかに重要かが改めて示されたと述べた。
さらに盧市長は、台中市の新しい文化ランドマーク「緑美図」は、2010年のプリツカー賞受賞者である妹島和世氏と西沢立衛氏のSANAA建築事務所が、台湾の劉培森建築事務所と共同設計したもので、今年末の開業を予定していると紹介。この施設は台湾初の図書館と美術館の複合施設となり、金沢市の21世紀美術館と同様にSANAAが設計を手がけており、両市は建築美学を共有する。今後、展覧会協力、アーティスト交流、キュレーションの経験共有を通じて、両市の文化交流を新たな段階へと推進していく方針だと強調した。
盧市長は、金沢市が歴史ある文化都市であり、村山卓市長は若手ながら豊富な経験と優れた市政運営能力を発揮し、同市を「ナショナルジオグラフィック」誌の「世界のベスト旅行都市25選」に日本で唯一選出させたことを称賛した。また盧市長は、金沢市民やパフォーマンス団体を「台中国際ステップカーニバル」など大型イベントに招待し、台中の多様で活気あふれる芸術文化を直接体験してほしいと呼びかけた。さらに、金沢市議会と台中市議会が姉妹議会であることを紹介し、両市の強固な友好関係を強調した。
村山卓市長は、金沢市と台中市が白冷圳の縁で友好を結んでから93年が経ち、前夜、新社地区を訪問した際には、設計技師の磯田謙雄氏の133回目の誕生日と重なり、特別な意義があったと述べた。さらに、台中市政府が長年にわたり白冷圳文化祭などを支援してきたことに感謝を表明し、今後、経済、文化、貿易、教育、スポーツといった分野で両市の交流をさらに深めていきたいと語った。
台中市政府の秘書処は、国際連携の強化と米国の関税政策の影響に対応するため、世界各国との交流を積極的に進めていると説明。4月以降、盧市長はEU、オーストリア、日本、ベルギー、シンガポール、インドなどの要人を次々と迎え、欧州経済貿易事務所のグレン・ギャリー所長、オーストリアの経済代表ゲオルグ・オーマン氏、ベルギー台北事務所のマーク・メーテン所長、日本台湾交流協会の片山和之代表、シンガポール台北商務事務所のヤップ・ウェイキエット代表、インド台北協会のグル・ダーフル会長らと会談。今回の金沢市訪問団の受け入れは、台中市が世界的な経済・貿易の変化に対応し、国際協力関係の構築を積極的に推進していることを示している。 (関連記事: 元外交官・垂秀夫氏が台湾訪問 蕭美琴副総統『日台の地域課題への関心に感銘』 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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