日本、米国債という「最強カード」は使わず 加藤財務相「交渉材料にはしない」と明言

2025年4月16日、日本経済再生担当大臣赤澤亮正がホワイトハウスで米国大統領トランプと会談。(日本内閣官房サイト)

日本の加藤勝信財務相は先日、「米国債の売却」は確かに交渉の切り札にはなるが、使うかどうかは別問題だと公言し、この発言は「ほのめかしの脅し」と解釈された。しかし加藤氏は4日、ミラノで釈明し、日本は米国との交渉カードとして米国債売却の可能性を使う意図はないと述べた。

加藤氏は先日、東京テレビの番組で「安易に米国債を売却しない」という日本政府の立場について質問され、「確かにこれは一つのカードだ。しかし、それを使うかどうかは別問題だ」と答えた。ウェストパック銀行の金融市場戦略責任者マーティン・ウェットン氏はこれを「ほのめかしの脅し」だと指摘し、米国のルーズベルト元大統領の名言「穏やかに話し、だが大きな棒を持て」を引き合いに出した。

現在、首席交渉官の赤澤良正氏がワシントンで第2ラウンドの協議に臨んでおり、各国が最終結果を注視している。加藤氏は4日、アジア開発銀行の年次総会に出席中、メディアに対して「米国債売却を日米交渉の道具とする考えはない」と明言。ただし同時に、日本が米国債を保有するのは米国を意図的に支援するためではないとも述べた。

日本財務省のデータによれば、今年3月末時点で日本の外貨準備総額は1兆2700億ドルに達し、その大部分が米国債に投資されているとされる。米財務省のデータでは、今年2月末時点で日本は約1兆1000億ドルの米国債を保有し、世界最大の海外保有者であり、次いで中国の7840億ドルが続いている。

《日本経済新聞》は、日本が世界最大規模の外貨資産を保有しながらも、それらを貿易交渉に用いることには依然として慎重な姿勢を崩さず、国際市場の不安定化や政治的緊張を避けようとしていると指摘。一方、みずほ証券東京本社のチーフストラテジスト大森翔輝氏は「もし外国人投資家が本当に米国債を買わない、あるいは売却する選択を取れば、米国債の利回り上昇リスクに直面することになる」との見方を示した。 (関連記事: 米国産米の輸入開放が石破内閣の「一石二鳥」の切り札に 日本政府が対米第二回交渉に向け積極的に準備 関連記事をもっと読む

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編集:梅木奈実

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