米国との「対等関税」交渉、日本が先陣でモルモットに 90日以内合意なるか、各国が注視

2025年4月16日、日本の経済再生担当大臣の赤澤亮正が米国のトランプ大統領とホワイトハウスで会談。(日本内閣官房ウェブサイト)
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米国の関税措置を巡り、赤沢亮正経済再生担当大臣は16日、ホワイトハウスを訪れ、交渉を行った。これは、トランプ氏が「対等関税」を発表して以来初の二国間会談であり、英紙『フィナンシャル・タイムズ』は、日本が他国の「モルモット」となったと報じている。トランプ氏は会談後、自身のSNSで「交渉は大きく前進した」と高らかに宣言したが、日本のメディア報道はこれとは異なる内容となっている。今回の日米関税交渉の成果はどのようなものだったのか、また、今後交渉に臨む他国にとってどのような貴重な情報を提供したのか。

Q. 交渉はどのように行われたのか?

NHKの報道によれば、当初この交渉は米財務省で行われる予定だったが、トランプ氏が当日朝に突然SNSで「私も参加する」と表明したため、急遽ホワイトハウスでの開催に変更された。赤沢氏はまず、ホワイトハウスのオーバルオフィスでトランプ氏と約50分間会談し、米側からは財務長官のベッセント氏、商務長官のルートニック氏、通商代表のグリア氏が同席した。日本側からは外務省経済局長、経済産業省通商政策局長、財務省国際局の首席財務官が出席した。


2025年4月16日,日本經濟再生大臣赤澤亮正與美國財政部長貝森特、商務部長盧特尼克、貿易代表葛里爾進行貿易談判。(日本內閣官房網站)
2025年4月16日、日本の経済再生担当大臣・赤澤亮正氏が、米国財務長官のベセント氏、商務長官のルートニク氏、通商代表のグリア氏と貿易交渉を行った。(日本内閣官房ウェブサイトより)

トランプ氏との会談後、16日午後5時半ごろ、赤沢大臣ベッセント氏、ルートニック氏、グリア氏と約1時間15分にわたり再度会談を行った。会談の詳細について赤沢氏はコメントを控えたが、日本外務省の関係者は、日米間の議題は難航するものであったが、会談は和やかな雰囲気で行われ、双方が日米関係の重要性を再認識する機会となったと述べた。また、ワシントンのシンクタンクの専門家は、EUが米国の要求に強硬に抵抗するのに対し、米国の軍事的保護を受ける日本はトランプ氏にとって「説得しやすい相手」と見なされている可能性があると指摘した。

Q. 日米交渉に成果はあったのか?

結論から言えば、具体的な成果は得られなかった。トランプ氏は赤沢氏との会談後、両者の写真をSNSに投稿し、「交渉は大きく前進した」と主張したが、NHKの報道によれば、赤沢氏の主な交渉相手はベッセント財務長官、ルートニック商務長官、グリア通商代表であり、赤沢氏は交渉の中で、自動車や鉄鋼などに対する10%の関税措置が日本から米国への投資や雇用機会に悪影響を及ぼすとして、強く再考を求めた。


2025年4月16日,日本經濟再生大臣赤澤亮正與美國總統川普在白宮會面。(日本內閣官房網站)
2025年4月16日、日本の経済再生担当大臣・赤澤亮正氏がホワイトハウスで米国大統領ドナルド・トランプ氏と会談した。(日本内閣官房ウェブサイトより)

しかし、NHKによれば、双方が合意したのは「率直かつ建設的な態度で交渉を進めること」、「90日間の猶予期間内に合意を目指すこと」、「今月中に再度交渉を行うこと」、「閣僚級交渉に加え、実務者レベルの交渉も継続すること」といった基本的な方針にとどまり、米国側の具体的な要求に対して日本側が応じることはなかった。また、米国側も10%の基礎関税の撤回については言及しなかった。 (関連記事: 米日、関税交渉スタート トランプ氏が異例の出席、日本は撤廃要求 月内再協議へ 関連記事をもっと読む

『毎日新聞』は、トランプ政権が14日にEUの交渉団とも会談を行ったが、ブルームバーグの報道によれば、この会談も「意見の相違が埋まらず、進展はほとんどなかった」とされている。トランプ氏は9日に「対等関税」の90日間の猶予を発表したが、現在までに初回の交渉を終えたEUと日本(トランプ氏は17日、「米中間でも交渉が進行中」と述べた)との間で具体的な合意には至っていない。日本は「90日以内の合意」を目標として掲げているが、トランプ政権が残りの80日間で70以上の国々と合意に達することができるのか、また合意に至らなかった場合に再度猶予期間を延長するのかは、依然として不透明な状況である。