台北MRT石牌駅で15日夜、刃物による傷害事件が発生した。MRTのホームで列車を待っていた陳姓の女性乗客が、面識のない林姓の女に突然刺され負傷。警備員と現場にいた市民の協力により林容疑者は取り押さえられ、警察が現場で逮捕し、法に基づき送検した。
MRT石牌駅で刺傷事件発生
台北市長の蔣萬安市長は夜、Facebookを通じて「石牌駅で傷害事件が発生した」と発表し、「法律に則って厳格に調査・処分する」と述べた。さらに「台北市はこのような暴力犯罪を断じて容認しない」と強調し、台北MRT公司とMRT警察隊に対して各駅の警備強化を指示、市民の安全を守るよう求めた。
警察と消防は午後5時50分過ぎ、「MRT石牌駅のホームで、女性乗客が理由不明で別の女性に攻撃された」との通報を受けた。刺された女性は肩と背中に傷を負い、意識ははっきりしており、緊急搬送された。
調べによると、当時42歳の陳姓女性はホームの椅子で列車を待っていたところ、40歳の林姓の女に背中を刃物で刺され、2〜3センチの傷を負った。現場には大量の血痕が残されていたが、病院での治療後、命に別状はないという。
犯行後、林容疑者はその場にいた保安員と乗客によって取り押さえられ、警察が到着後、逮捕され北投警察署石牌派出所に連行された。動機の解明を進めている。
警察の発表によれば、加害者と被害者の間に面識はなく、林女は犯行後、思考が混乱していた様子で、取り調べ後、傷害罪の容疑で士林地方検察署に送検される予定である。
台北MRT公司、加害者に10万元の罰金処分
台北大衆捷運股份有限公司(MRT)は、加害者に対し10万元(約46万円)の罰金処分を行ったと発表。また、被害者に見舞いの意を表し、旅客運送責任保険による補償が可能であることを案内した。
公共捷運法では、告示された危険物または可燃物を許可なく捷運の路線、施設、駅構内、または車両内に持ち込んで他人に軽傷を負わせた場合、10万元の罰金が科されると規定されている。
MRT公司によれば、加害者の処分は警察により行われ、すでにすべての駅に対し、MRT警察隊と協力して警備を強化するよう通達済み。犯行動機については警察が引き続き調査している。
MRT警察隊:乗客への安全対策と注意喚起
MRT警察隊は、乗客に対し列車利用中は周囲の乗客の動きに注意を払い、車内や駅構内で刃物を持った攻撃に遭遇した場合、速やかに危険から距離を取り、円を描くように回避する行動を取るよう呼びかけている。また、バッグや書籍などで身体の急所を保護し、傘や上着などの身近な物品を活用して犯人との接近戦を避けるようにとも勧めている。
さらに、捷運利用時には刃物類や危険物の携帯を控えるよう市民に呼びかけ、違反した場合は捷運会社が運送を拒否できるだけでなく、社会秩序維護法や公共危険罪などに抵触する可能性があると警告している。
緊急時には非常ボタンまたは110番通報を
MRT警察隊は、ホームや車内で不審な行動を見かけた場合には、ホームのエレベーター横または車内の赤色の非常通話ボタンを押して、駅員や運転士に通報を依頼するか、110番で警察に通報するよう促している。警察は迅速に対応し、乗客の安全確保に努めるとしている。 (関連記事: 李忠謙コラム》ワシントンの専門家が警告:台湾が直面する「4つの危機」ーー政治的ゼロサム、民主主義の後退、トランプへの過信、中国との対話拒否 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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