台湾・与党内での共産党スパイ事件が相次いで発覚している。国家安全会議の秘書長である呉釗燮氏が外交部長を務めていた際の助手、何仁傑氏も共産党のスパイとして取り込まれた疑いがあり、外交部の機密情報を中国の情報機関に提供していたとされる。4月11日、国家安全法違反の疑いで拘束され、接見禁止となった。最近では、与党が総統府、外交部、立法院長室、民進党中央などに浸透され、計5人が関与している。
共産党スパイ事件の第一波は、立法院長・游錫堃氏の元助手・盛礎纓氏が中国資金を受け取り、立法院の機密を漏洩した疑いで、20万元の保釈金で保釈された。第二波では、盛礎纓氏の他に、総統府の元顧問・呉尚雨氏、民進党民主学院の元副主任・邱世元氏、新北市議員・李余典氏の特別助理・黄取榮氏が関与しており、邱世元氏、呉尚雨氏、黄取榮氏の3人は現在拘束中である。第三波は、長年呉釗燮氏の助手を務めていた何仁傑氏である。
共産党スパイ事件、政府、立法院、与党の高官にまで拡大
国民党の立法委員・徐巧芯氏は、4月9日の立法院で国家安全局長・蔡明彥氏に対し、呉釗燮氏の助手である「何氏」という人物が共産党スパイであると指摘し、国家安全局が調査中であると述べた。当時、蔡明彥氏は徐氏に情報の誤りを指摘したが、徐氏はインターネット上の「公開情報」を基に主張を続けた。これに対し、外交部長・林佳龍氏は同日、同僚に調査を指示し、徐氏の情報は誤りであり、名前が似ている可能性があるが、外交部の北米司には徐氏が指摘した人物はいないと述べた。『風傳媒』の取材によると、これは名前の重複によるもので、外交部の北米司にも同姓同名の「何仁傑」氏がいるためである。

「東呉幫」出身、金銭のために危険を冒す
呉釗燮氏のオフィスによれば、何仁傑氏は2024年3月に退職しており、法に基づく厳正な処分を支持している。外交部は12日、何仁傑氏が2018年2月に外交部に入省し、2024年4月に退職したと発表した。外交部は関連情報を得た時点で、政風処に調査を依頼した。民進党も、何仁傑氏が党員であることを確認した。
『風傳媒』の情報筋によると、何仁傑氏は2016年から国家安全会議の秘書長・呉釗燮氏に従い、国家安全会議や外交部で機密秘書を務め、8年間潜伏していた。これが、呉釗燮氏が外交部長として6年間で8カ国(ドミニカ共和国、ブルキナファソ、エルサルバドル、ソロモン諸島、キリバス、ニカラグア、ホンジュラス、ナウル)との外交関係を断絶した理由であり、呉氏が「断交部長」と呼ばれる所以である。 (関連記事: 論評:“脱中入北”? 頼清徳の終末への狂詩曲 | 関連記事をもっと読む )
『風傳媒』によると、何仁傑氏は東呉大学政治学科を卒業し、「東呉幫」出身で、民進党のシンクタンクである新境界文教基金会にも在籍していた。何氏の友人によれば、何仁傑氏は「謙虚で上品、熱意のある」人物であり、家計や経済状況に問題があったため、危険を冒したのではないかと推測される。





















































