台湾時間の木曜日(10日)午前1時ごろ、米国のトランプ大統領は、関税の徴収を90日間一時停止するよう正式に許可したと突然発表し、即時発効した。この発表を受け、世界の株式市場は一斉に急騰。台湾株価指数先物の夜間取引では1,000ポイント以上の急上昇となり、上昇率は一時9%を超え、18,800ポイントの大台を突破した。
トランプ氏は、自身が運営するSNSプラットフォーム「Truth Social」上で次のように述べた。
「すでに75か国以上が、貿易・貿易障壁・関税・為替操作・非関税障壁などの問題について米国との交渉を希望して米国当局に連絡を取っている。そして、私の強い要請により、これらの国々は米国に対していかなる報復措置も講じていない。よって私は、関税の徴収を90日間一時停止することを承認した。この期間中、対等関税を10%に引き下げ、即時に適用する」
しかし、直前に関税を追加し報復姿勢を示した中国に対しては、トランプ氏は「中国が世界市場に対して敬意を示していないこと」を理由に、アメリカによる中国製品への関税を125%に引き上げるとし、これも即時発効すると表明した。
米ホワイトハウスも同日、交渉期間中は関税を一律10%に引き下げる方針を正式に発表した。
この発表を受けて米国株式市場は急反発し、世界の先物市場も全面的に上昇。特に米国の大型ハイテク株が大きく買われ、アップルの株価は13%上昇、エヌビディアやテスラは14%を超える上昇を記録した。台湾のTSMC(台積電)のADR(米国預託証券)も7%以上上昇したほか、台湾株価指数先物の夜間取引では一時9%を超える急騰となった。
また、トランプ氏の関税一時停止表明を受けて、市場では米連邦準備制度理事会が5月に利下げを行うとの予測が大きく後退した。金利先物取引によると、トレーダーの間では6月からの利下げの可能性が高まっており、年内に合計4回の利下げが行われるとの見方が強まっている。
米国財務長官ベッセント氏は、ベトナム、日本、インド、韓国の代表と本日会談を予定していると明かした上で、「今回の関税停止措置は市場の反応によるものではなく、あくまで交渉の時間を確保するための判断である」と強調した。
トランプ氏「今が買い時」と発言後に関税停止 対等関税はわずか半日で凍結
注目すべきは、トランプ氏が今回の措置発表の数時間前に自身のSNS上で投資家に向け、「落ち着いて!すべてうまくいく。アメリカはこれまで以上に強く、そして良くなる」と呼びかけていた点である。さらに別の投稿では、「今こそが買い時だ」と発言し、不安を抱える投資家に安心感を与えようとしていた。
その直後、発効からわずか「半日」で対等関税の適用が凍結されたことで、世界の金融市場は歓喜に沸いた。
米大手資産運用会社PIMCO(パシフィック・インベストメント・マネジメント)は、「注目すべきはトランプ政権が市場のシグナルに応じて政策修正を行う意思を持つかどうかだ」とし、「関税停止は、経済と市場の安定にとって非常にポジティブなニュースだ」と評価した。

編集:梅木奈実 (関連記事: 【速報】トランプ氏、関税措置を90日猶予 台湾株急騰で19,000突破 TSMC・鴻海はストップ高 | 関連記事をもっと読む )
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