米国の「対等関税」政策が正式に発効した後、ドナルド・トランプ米大統領は、75カ国に対する関税措置の実施を90日間延期すると発表した。このニュースを受けて米国株は主要4指数が揃って急騰し、世界の株式市場も同調して反発した。台北株式市場も本日(10日)、強気に高く寄り付き、加権指数18,256はポイントでスタート。直後に1,000ポイント以上上昇し、取引中には一時19,000ポイントの大台を突破、上昇率は9%を超えた。TSMC(台積電)と鴻海(ホンハイ)は寄り付き直後にストップ高となり、強い勢いを見せた。
米国の主要4指数は4月9日に大幅上昇し、ダウ工業株30種平均は終値で2,962ポイント高騰し、40,000ポイント台を回復、上昇率は7.87%に達した。ナスダック総合指数は12.16%急騰、S&P500指数も9.52%上昇した。特にフィラデルフィア半導体指数は18.73%という異例の高騰を記録した。TSMCのADR(米国預託証券)も同様に強く、終値は158.75ドルで、上昇率は12.29%に達した。
アジア株式市場もこの好材料の恩恵を受け、日本と韓国の株式市場は台湾市場が開く前からすでに高く寄り付き、順調に上昇。取引時間中の上昇率は日本が8%超、韓国が5%超に達し、市場全体に投資家の信頼感が戻ってきたことを示している。
トランプ氏:各国の「対等関税」は90日間10%に 対中関税は125%に引き上げ即時施行
トランプ米大統領は、本日(10日)未明より複数国に対する「対等関税」の適用を開始したが、同日午後には、既に75カ国以上が米国と協議を望み報復措置を取っていないことを理由に、当該措置の実施を90日間猶予すると発表した。この猶予期間中は、一律10%の関税を即時適用する。ただし、中国に対しては、直ちに関税率を125%へと引き上げると明言した。
トランプ氏は、自身のSNS「Truth Social」に投稿し、「中国はグローバル市場に対して敬意を欠いており、その姿勢に鑑み、対中関税を125%へ引き上げ、即時発効することを決定した」と述べた。
この発表に先立ち、トランプ氏は中国が対米関税への報復措置を講じたことに対し、昨日、中国からの輸入品に追加で50%の関税を課す方針を打ち出しており、これにより累積関税率は104%に達していた。
またトランプ氏は、同投稿で「すでに75カ国以上が米国商務省、財務省、通商代表部(USTR)に接触し、貿易、貿易障壁、関税、為替操作、非関税障壁などの問題について協議を希望している。これらの国々は米国に対して報復措置を取っていないため、90日間の猶予を与えることを決定した。猶予期間中は10%の対等関税のみを即時適用する」と説明している。
なお、トランプ氏は今月2日に、各国に対し11%から50%まで幅を持たせた関税を課す「対等関税」と、すべての輸入品に一律10%の関税を課す措置を発表していた。このうち、10%の一律関税は5日にすでに発効し、「対等関税」は9日に発効。台湾への関税率は32%に設定されている。
編集:梅木奈実 (関連記事: トランプが「台湾の砦」全体を移転? 米商務長官:「半導体産業すべて」が台湾から米国へ移動 | 関連記事をもっと読む )
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